細菌を”プログラミング”し、薬として使う?!生きている薬が切り開く未来とは?

「一度、この薬を飲むと、ずーっと貴方を守ってくれるんですよ!」なんて医者が言う日も遠くない?!

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世界中でプログラミングされる大腸菌

マサチューセッツ大学からスピンオフしたSynlogicという会社が、細菌をプログラミングして、新しい”生きた薬”の開発を行っている。

使っている細菌は、現代のバイオテクノロジーの研究になくてはならない大腸菌。

今では大腸菌は簡単に遺伝子操作、つまりプログラミングできる技術が確立されている。

世界中の研究者は大腸菌を自分たちの好むようにプログラミングして、自分たちの研究に勤しんでいる。

この研究チームでは、周囲の環境に応じて、薬剤を放出したり、解毒する大腸菌を作り出し、人々を様々な病から救い出そうとしている。

ターゲット1:尿素サイクル異常症

一つ目のターゲットとしては、尿素サイクル異常症だ。

体内では食事で摂った窒素を代謝し、アンモニアとして排出するが、遺伝的な異常があり、アンモニアを解毒できずに、体内に高濃度で蓄積すると、意識障害、痙攣、呼吸障害などを引き起こす。

日本では難病指定となっており、8,000〜44,000人に1人の割合で発症する。

ターゲット2:フェニルケトン尿症

二つ目のターゲットは、フェニルアラニンがフェニルケトン尿症だ。

フェニルアラニンは食事でしか取れない重要な必須アミノ酸の一つだが、フェニルアラニンを代謝できない遺伝的異常があると、体内に蓄積し、知的障害、脳波異常、痙攣を引き起こす。

日本では約80,000人に1人の割合で発症する。

異常を察知し、自動で治療

研究チームが開発しているのは、アンモニアやフェニルアラニンの濃度の上昇を察知し、速やかに代謝し、無害な物質に変換する、そんな機能をもった大腸菌だ。

研究チームは上記二つの疾患だけでなく、様々な代謝異常においても、このシステムは有効だと考えている。

それだけでなく、循環器疾患や自己免疫疾患、がん、中枢神経障害においても、代謝系が乱れ、毒素が蓄積することもあるので、応用範囲は広いであろう。

現状でプレ臨床実験に入ったようで、まだ先は長いかもしれませんが、早く治療に使われ、多くの人が救われるよう願っています。

元記事はこちら(Reprogramming gut bacteria as “living therapeutics”)

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