ナノコーン構造が新しい水素社会を切り開く?!〜水素生成効率の向上に向けて〜

水素社会を達成するには、その水素がどこまで安価になるか?それが鍵のようです。光を用いて水素を得る。そんな研究が世界中で盛んに行われています。

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水素社会

現在、世界のエネルギーを支えている石油や天然ガスなどの化石燃料。

だが、化石燃料は有限であり、将来的に枯渇してしまう。

また化石燃料は燃やして使用するが、燃やすことで二酸化炭素が発生し、地球温暖化の原因となると懸念されている。

このような問題を解決するため、現在世界中で新しい燃料の開発が進められている、

その一つが水素だ。

水から水素と酸素を作り出し、その水素を燃料として用いる。

ただ水素を燃やすわけではなく、化学反応を利用し、再度水素を酸素と反応させることで電気を得る。

最終的に出てくるのは水だけなので、環境負荷もない。

また、電気はそのままでは貯蔵することはできないが、水素という物質に変換することで貯蔵できるというメリットも生まれる。

だが現在課題となっているのは、その水素をどうやって安く作るかということだ。

ビスマスバナジン酸

スタンフォード大学の研究チームは、新しい水素を作るデバイスを開発した。

研究チームが開発を進めているのは、光による水分解の手法だ。

デバイスに光が当たると電圧が生じ、その電圧を利用して、水を水素と酸素に分解する。

現在、世界中で研究が進められている手法の一つだ。

他の研究チームでは、効率的に水を分解するため、シリコンで作ったデバイスの上にレアメタルであるインジウムなどを塗布しているが、研究チームは安価で高耐久性のあるビスマスバナジン酸という物質を用いた。

だが、その水分解の性能は理論値より低く、十分な性能ではなかった。

2つの戦略

そこで研究チームが考えたのは、2つの戦略だ。

一つ目はビスマスバナジン酸の層を薄く、200ナノメートルという目には見えないレベルの層を作製した。

そうすることで光がビスマスバナジン酸の層を通り抜け、発電層に効率的に届けることができる。

二つ目は光を効率的に吸収する構造を、ナノテクノロジーを用いて作った。

その構造は、まるで工事現場で使用するコーンのような構造で、そのコーンの構造を大量に基板上に並べたのだ。

ナノテクノロジーを用いているので、そのサイズもごく小さく、600ナノメートルほどしかない。

この構造により、ビスマスバナジン酸により得られる光から水素が得られる理論的効率である6.2%を達成した。

日本ではトヨタからMIRAIという水素自動車が発売されましたが、世界でも水素社会に向けて、急ピッチに研究が進んでいます。クリーンなエネルギーが無尽蔵に得られるようになった未来はどんな世界になるのでしょうか?今後が楽しみです!

元記事はこちら(Stanford researchers find new way of making hydrogen fuel from water and improve grid-scale batteries)

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