本当にその再生可能エネルギーは地球環境にいいものなのだろうか?シミュレーションにより明らかになるサステナブルな社会とは?

持続可能な社会を目指し、多くの研究機関や企業が猛スピードで研究を進めています。ですが、本当にその方向性はあっているのでしょうか?

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サステナブル社会、再生可能エネルギー…

産業革命以降、人間は様々な技術や製品を生み出し、世界を豊かにしてきた。

だがその発展に伴い、地球温暖化や資源の枯渇など新たな問題が浮かびあがっている。

そこで技術や経済の発展だけではなく、地球環境として、そして人間の活動として持続可能な社会を目指そうという風潮が高まっている。

そのような社会をサステナブル社会と呼ぶ。

またそのサステナブル社会を目指すには、現在化石燃料である石油や天然ガスなどをエネルギー源として用いるのでは達成できない。

このような資源は日々電気や熱、プラスチックや繊維などの材料として利用され、大量に消費されているが、枯渇してしまえばそれで終わりなのである。

そのため太陽光や風力など自然のエネルギーを電気に変換する方法や、植物や微生物を用い、石油化学製品に替わるプラスチックや繊維を作り出す方法などの研究が盛んに行なわれている。

このようなエネルギーを再生可能エネルギーと呼んでいる。

本当にいつも再生可能エネルギーがいいのか?

だが再生可能エネルギーがいつも地球環境のためにいい選択なのか?そう疑問を投げかける研究者もいる。

確かに石油は将来必ず枯渇する。それと比べ人間が作り出せるエネルギーである再生可能エネルギーは枯渇する心配はない。

だが違う角度から再生可能エネルギーを見たときに、本当にそれは地球環境のためになっているのか?

そう疑問を投げかけ、研究を進めているのが、カーネギーメロン大学の研究チームだ。

この研究チームでは、石油から作られるプラスチックと三種類の方法における植物ベースのプラスチックの製造過程において、温室効果ガスの排出量に関して調査を行った。

様々なシナリオとモンテカルロ法

研究チームはより正確な調査を行うため、シミュレーションの手法を用いた。

シミュレーションには、どのようなものを、どのような状況でといったシナリオが必要となる。

例えば、とうもろこしからプラスチックを作る際、とうもろこしを育てる為に必要な肥料から亜酸化窒素という温室効果ガスが排出される。

もしとうもろこしをプラスチックの原料として用いるとなると、現在食用で消費されている分を賄うため、新しいとうもろこし畑が必要となる。

実際、ブラジルではとうもろこしや他の作物を育てるため、森林を伐採して田畑を増やしている。

そうなると結果として、作物を育てるための肥料は増加し、それに伴い温室効果ガスの排出量は増える一方、温室効果ガスを取り除く役割のある森林は減少するため、全体として温室効果ガスは大幅に増加するというシナリオが考えられる。

研究チームはこのようなモデルを複数用意し、さらに様々な社会状況に対応するため、乱数を用いてシミュレーションを行うモンテカルロ法により検討を行った。

結果とこの研究の将来

今回は現在プラスチックを製造するために用いられている原料の環境負荷への影響と他の物質を用いた際の影響の比較検討を行った。

その結果、現在はほとんどのバイオベースのプラスチックはとうもろこしを原料としているが、スイッチグラスという雑草を用いたほうが石油化学ベースのプラスチックよりも環境負荷が少ないという結果が得られた。

今後はさらにこの研究を推し進め、製造過程においてより環境負荷の少ない再生可能エネルギーの提案を進めていく予定だという。

多くの研究者が進めている再生可能エネルギーですが、エネルギー効率や原料から製品を作るまでの環境負荷は計算されている一方、その原料を作り出す過程の環境負荷までは考えられていないことも多々あります。トータルで考えたときに、本当にそれは地球や人間生活の役に立ち、サステナブルな社会を築くことができるのかというのは重要な視点だと思います。

現在、コンピュータシミュレーションが発達したおかげで、様々なシミュレーションを短時間で行えるようになってきています。その技術を生かし、先にシミュレーションで結果を得てから、研究の方向性を決めるというのが今後重要になっていくことでしょう!

元記事はこちら(Researchers Study Whether Renewable Is Always Better)

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