山火事による大気汚染は人の健康に被害を及ぼす!?気候変動により被害が拡大するかもしれない未来への対処は?

日本では山火事というと火の元の不始末といった人為的なものがほとんどですが、自然に起こる火災で悩まされている国も数多く存在します。その自然発火による山火事は、気候変動により今後増加し、人への健康被害が増大するだろうという研究結果が報告されました。

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山火事

たくさんの木々がある山や森林は燃えるものの宝庫である。

山で火災が発生し、広範囲に燃え広がった火災を日本では山火事、アメリカなどではwildfire(ワイルドファイア)、オーストラリアなどではブッシュファイアと呼ぶ。

原因は大きく分けて、雷や火山の噴火など自然発火するものと、焚き火やタバコの不始末、放火、焼畑農業など人為的なものの二つである。

日本では自然に起こるものは少なく、人為的なものが多い傾向にあるが、海外では自然発火するものが多く、オーストラリアではブッシュファイア予測や警報などが報じられることもある。

二酸化炭素を減らし、酸素を放出してくれる自然環境にとって重要なサイクルを生み出している木が減少することは、地球環境上よくないことだが、それだけでなく人の健康に影響するという報告があった。

山火事による大気汚染

イェール大学とハーバード大学の研究チームは、山火事により健康被害が広がるだろうという研究結果を報告した。

研究チームによると次の10年間で気候変動による西アメリカの山火事により、1000万人が高濃度の大気汚染に曝されるという。

また今世紀中頃までだと、アメリカ西部の561の地域で8200万人が、煙の波とも言える大気汚染を経験するだろうと予想している。

特に被害を受けるのは、カルフォルニア州北部、オレゴン州西部、アメリカ中西部のグレートプレーンズである。

PM2.5

山火事の煙で健康に影響しそうなものは、PM2.5である。

PM2.5とは、粒子径が概ね2.5マイクロメートル以下の微粒子のことを言う。

PM2.5は非常に粒子が細かいため、肺の中深くに入り込み炎症を起こしたり、そのまま血液中に混入しするなど、健康への被害が懸念されている。

よく工場や自動車の排ガスなどから出るPM2.5が話題となるが、PM2.5は山火事でも発生する。

実際、研究チームはアメリカで発生しているPM2.5の総量のうち、18%は山火事によるものと推計している。

また2004年から2009年の山火事によるPM2.5の発生量から、気候変動などの予測を含め、2046年から2051年の山火事によるPM2.5の発生量を推計した。

その結果、現在山火事による大気汚染の被害を受けていない20の地域の62.5%以上の地域が、平均で15日以上山火事による大気汚染の被害を受けると計算している。

そして現在山火事による大気汚染の被害を受けている地域の19%が被害が少なくなる一方、56%の地域の被害は大きくなると予想している。

地球環境にも人の健康にも広範囲で影響を与える山火事。

早期警報システムや公衆衛生プログラム、防災システムなど山火事を早期に沈静化するシステムの構築が必要となることだろう。

オーストラリアに旅行に行った時、道路の脇に度々、カラフルな扇型で矢印が付いた看板を見かけました。友人にこれはなんだと聞くと、ブッシュファイアの警報の看板だよと教えてくれたのをこの記事を読んで思い出しました。オーストラリアでは人々の生活に入り込むくらい山火事が起こっているという証拠でしょう。確かに乾燥しており、暑いオーストラリアでは自然発火しやすいのかもしれません。日本の夏は湿度が高くジメジメしているので、自然発火の山火事は起こりにくいのでしょうが、今回の研究結果のように、気候変動があると今後どうなるか分かりません。そのため、日本でも起こらないかもしれないという考えではなく、起こるかもしれないという考えで準備を進めていくことが重要かもしれません。

元記事はこちら(Health risks from wildfires in U.S. West to increase under climate change)

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