全ゲノム解析による食中毒リスクの評価の方法!これまでよりも迅速に、そして確実に食中毒を予防する?!

味や臭い、見た目が変わらない食中毒もあるんです!しかも加熱をしてもダメ。そんな食中毒を防止するため、新しい食中毒検査法が提案されています。

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Bacillus cereus

Bacillus cereusは日本ではセレウス菌と呼ばれ、土壌や汚水など自然界に多く存在する菌である。

食品がセレウス菌で汚染されると食中毒の原因となる。

だがセレウス菌による食中毒は毒素による食中毒であるため、免疫はつかず、何度でも発症する上、毒素が溜まった食品を加熱しても食中毒を起こしてしまう。

また汚染された食品を臭いや見かけでは判断することはできない。

セレウス菌は熱や消毒液に強い芽胞という状態をとることができ、汚染されてしまった食品中から完全に取り除くことも困難である。

通常の状態では、100℃10分の加熱で死滅するが、芽胞の状態では、100℃30分でも耐えることができる。

さらにはこの芽胞の形で自然界に広く存在している。

全ゲノム解析

コーネル大学の研究チームは、このBacillus cereusを食品の食中毒のリスク評価を行う指標として用いる手法を検討している。

Bacillus cereusは、その種類によって食中毒の原因になるものと、ならないものが存在する。

そのためBacillus cereusが存在するからといって、即座に食中毒になるというわけではない。

そこで登場するのが、全ゲノム解析という手法だ。

全ゲノム解析とは微生物の遺伝子を全部解析してしまう手法であり、完全にその微生物を特定することができる。

例えば食品会社がこの全ゲノム解析を取り入れることにより、製品や製造ラインなどから、食中毒の原因となる微生物を特定できるという。

また食中毒菌を同定するのにこれまででは食中毒菌を単離培養することが必要だったが、全ゲノム解析ではその必要がなく、これまでよりも迅速に菌種の同定ができる。

つまり製品が食中毒を起こす菌に汚染されているかが出荷前に分かれば、市場に出す前に出荷を止めることも可能になるということだ。

現在、全ゲノム解析は少しずつ安価になってきており、将来的にはこれまでの手法と組み合わせて使うことが一般的になると考えられる。

食品会社がより早く原因をつかみ、判断を下したいという時には、全ゲノム解析は第一に考える手法になるだろう。

人間の生活環境から菌を完全に取り除くことは困難です。それがどんなに消毒された工場だとしても、人がいる限りは完全な無菌という状況は作れないことでしょう。そのため製品が本当に食中毒のリスクがないかチェックするというのは、製品を購入してくれる顧客のために重要な点となります。いかに迅速に、いかに正確に食中毒の可能性を評価するのかが食品会社にとって大きな課題だなのでしょう。全ゲノム解析という新しい技術を利用することにより、大きく食中毒予防に貢献できるかもしれません、また現状ではほぼ研究にのみ使われているので、これからどのような応用例を見せてくれるのか楽しみなところですね!

元記事はこちら(Bacteria’s own genome becomes food safety tool)

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