植物に触れた時に発するかゆみ。そこには免疫反応が関与していた?!そのメカニズムを明らかにした研究!

山に入って、いつのまにやら植物に触れ、かゆくなっていたなんて経験をした人もいるのではないでしょうか?なかなか治まることのないかゆみ、何故ヒトはかゆみを感じるのでしょうか?そのメカニズムが明らかとなりました。

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植物とかゆみ

ハーバード大学の研究チームが、植物に触れた際、かゆみを発するメカニズムを明らかにした。

アメリカでは年間5000万人の人が、アイビーやオーク、ウルシなどに触れることで起こるひどいかゆみに悩まされている。

これらの植物の樹液にはウルシオールと呼ばれる化合物が含まれており、それがかゆみを引き起こす。

だがこれまで生体内で何が起こっているかということは明らかになっていなかった。

彼らは体内に存在するCD1aというタンパク質に注目し、ウルシオールに触れた際に起こるかゆみのメカニズムを明らかにした。

CD1a

CD1は免疫反応に関連しているタンパク質だ。

免疫反応はまず抗原提示細胞と呼ばれる細胞が異物に触れることから始まる。

抗原提示細胞が異物に触れると、その異物を取り込み、異物が存在することを示す抗原を細胞表面に提示する。

この抗原をもった抗原提示細胞は、ヘルパーT細胞に異物が存在することを伝え、続けてキラーT細胞やB細胞にその情報を伝達する。

B細胞が異物を認識する抗体を大量に生み出し、この抗体が異物に付着すると、キラーT細胞が異物を破壊するという流れで免疫反応が行われる。

この免疫反応において、CD1は抗原提示細胞の表面に存在するタンパク質であり、抗原の1つである。

CD1は5種類存在し、それぞれCD1a、CD1b、CD1c、CD1d、CD1eと名前が付けられている。

CD1a、CD1b、CD1cはマクロファージのみに存在し、CD1dは様々な細胞、組織に存在している。

ウルシオールが引き起こすかゆみのメカニズム

研究チームは、ウルシオールがどのようにしてCD1aに影響するかを遺伝子操作を行ったマウスで検討を行った。

その結果、皮膚の表皮に存在する抗原提示細胞の一種であるランゲルハンス細胞がウルシオールに触れるとランゲルハンス細胞の表面にCD1aが提示され、T細胞を活性化させる。

T細胞は細胞間での情報伝達の役割を担っているインターロイキンを放出するが、ウルシオールの場合では、インターロイキン17やインターロイキン22を生み出す。

インターロイキン17やインターロイキン22は、炎症やかゆみに関連するインターロイキンであり、そのためヒトはかゆみを感ずるようになるのだ。

この反応は皮膚が硬くなり、かゆみを引き起こす病気である乾癬とほぼ同じ機構であると考えられる。

乾癬自体もアメリカで750万人、全世界で1億2500万人の患者がいると考えられており、このようなメカニズムが明らかになることにより、治療法や治療薬の開発が進むかもしれない。

かゆみはなかなか我慢できない症状の一つですよね。現在、薬局に行くと、様々なかゆみ止めが販売されていますが、完全にかゆみが止めるのはあまり無いような気がします。もちろんk症状や個人差も大きいのですが、メカニズムがまだ分かっていないことも一つの原因だったのでしょう。かゆみのメカニズムは完全に解明されれば、塗ってすぐにかゆみを止めるなんて薬も開発されるかもしれません。いや、開発されて欲しいと願っています。

元記事はこちら(From leaf to itch. Harvard-led research team first to track molecular path of poison ivy)

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