脳卒中の症状を広く伝え、いち早く治療を受けてもらう!〜FASTからFASTERへ〜

皆さんはFASTという言葉をご存知でしょうか?英語の「速い」という意味だけでなく、脳卒中で亡くなる人を減らそうというキャンペーンで使われる言葉なのです。1人でも多くの人を救うため、FASTがFASTERになり、再度脳卒中のことを知って、そして考えてもらおうという動きがされています。

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FAST

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など脳の血管が詰まったり、破れたりすることで起こる脳卒中。

日本では脳卒中の患者は150万人いると言われ、また毎年25万人以上が発症しており、死因の第3位になるほど、患者数の多い疾患の一つである。

症状が出たらすぐに治療を受ける必要があるが、そのためにはその症状に気づき、直ちに医療機関へ行く必要がある。

その脳卒中に気づき、即座に治療を受けてもらおうとする言葉が「FAST」である。

F(Face):顔の表情がゆがむ。口元が左右で下がり方が異なる

A(Arm):片腕に力が入らない。前ならえをして片腕が下がる

S(Speech):ろれつが回らない。言葉が出ない。意味不明なことをいう

これらは症状の目安である。

T(Time):すぐに救急車を呼び、症状の出た時間を伝える

FASTの影響は?

オックスフォード大学の研究チームが、このような症状が出た人が即座に医療機関で治療を受けたか調査を行った。

調査は2014年で5ヶ月間行われ、虚血性心疾患や軽い脳卒中の症状を示した150の患者で行われた。

その調査では58.7%の患者(88人)は自分が脳卒中になっているとは思っていなかったと答えた。

またイギリスでは2009年にFASTを広め、脳卒中にいち早く気づき、医療機関へ行ってもらおうというキャンペーンを行ったが、36%の患者はこのキャンペーンのことを知らなかった。

またこのFASTのことを知っており、自分が脳卒中かもしれないと疑いをもった人でも、即座に医療機関へ行かなかった人も存在する。

より早く治療を受けてもらうために…FASTER

今回の調査の結果では、現状ではFASTを知っている人やFASTにより自分が脳卒中だと気付いた人、また実行にうつした人は少ないという残念な結果となった。

また近年の症状の調査結果において、顔や腕、言葉だけでなく、目にも症状が出ることが分かってきている。

そこで研究チームは新しくFASTをFASTERとし、脳卒中における症状を一般に広く伝え、治療を即座に受けてもらえるようにしたいと考えている。

最後のEとRは、目に症状が出ることからEyeのEとすぐに行動を起こすというReactのRである。

ちなみに私はこのFASTという言葉を知りませんでした。脳卒中で顔の表情や腕の脱力、言語障害が出るのは知っていましたが、普段から気にしていないと、多分症状を感じた時に即座に行動はできないでしょう。

日本では昔から地震や災害の時に「おはし」、つまり「おさない」「はしらない」「しゃべらない」が使われていますし、怪我をした際のRICE(ライス)処理、「Rest(安静)」「Ice(冷やす)」「Compression(圧迫)」「Elevation(上げる)」といったものもだいぶ一般化してきたかと思います。

こういった簡単な略語にしておけば、思い出すきっかけになり、即座に対応できると考えられます。脳卒中の症状と対応を示すFASTERもより一般的になり、多くの人の命が救われることを願っています。

元記事はこちら(Many stroke patients experience delays in seeking and receiving care)

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