妊娠時の体内のクレアチン量が胎児の成長を促すかもしれない?!健康な新生児を授かるために新しい観点で進められている調査とは?!

スポーツ選手が注目しているクレアチン。何も特別なものではなく、食事からも摂取でき、また我々の身体の中でも合成されている物質ですが、妊娠時には体内のクレアチン量が胎児の成長に良い影響を与えるかもしれないという研究結果が報告されました。

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クレアチン

クレアチンとは筋肉中に存在する有機酸の一種である。

クレアチンは生体内において変換され、エネルギー源として貯蔵されることから、瞬発力を必要とするスポーツなどで注目を浴びている。

体重70 kgの成人では、120〜140 gが体内に存在していると言われ、1日約2 gが新陳代謝により、体外に排出されるという。

だが食物からの摂取では、肉や魚などクレアチンを多く含む食物1 kg摂取しても、5 g程度しか含まれていないため、スポーツ選手ではクレアチンを含むサプリメントで補給することも多い。

近年のオリンピック出場選手のうち、約80%がクレアチンを摂取しているとも言われており、広くその効能が知られていることがうかがえる。

妊婦のクレアチン量と胎児の成長との関係

モナシュ大学の研究チームは胎児が成長する際、母親の体内に存在するクレアチンの量が、出産時の胎児のサイズに影響しているという報告を行った。

クレアチンはその量の半分が魚や肉などの食事によって得られるが、残りの半分はアルギニン、グリシン、メチオニンなど体内のアミノ酸を使って合成される。

研究チームは900人の妊婦を調査した結果、270人の妊婦において、尿中のクレアチン量が少なく、出産時において、新生児の体重が顕著に少なかった。

これは世界で初めて妊婦のクレアチン量が胎児の成長に関連することを示した研究結果であり、もし妊娠時にクレアチンを積極的に摂取すれば、新生児の成長を促し、脳の障害や流産といった最悪の状況を回避できるかもしれないことを示している。

今後はさらに900人の妊婦において、妊娠期間中のクレアチン量の変動を計測し、その影響を調べる予定だという。

また今回の発見により、妊娠期間におけるクレアチンの推奨最低摂取量などの決め、妊娠時の食事のガイドラインを改善できるかもしれない。

だがまだ研究は始まったばかりだ。

クレアチンは母体と胎児の両方に影響を与えるため、まだ未知の影響があるかもしれない。

今すぐ妊婦がクレアチンサプリメントを摂取するというのは現状では勧められないと研究チームは慎重な姿勢を示しており、今妊娠している方は注意をして頂きたい。

スポーツの世界では、ちょっとブームになっている感じがするクレアチンですが、ATPや脂肪に次ぐ第3のエネルギー源として重要な役割を担っています。サプリメントでも販売されているため、手軽に摂取できるこのクレアチン。今回のような摂取するといい影響があると報告があると、爆発的にブームになるかもしれません。ですが、この研究チームが述べているように、新しい研究結果というものは、まだまだ分かっていない部分も多く、すぐに飛びつくといのはあまりいいことではない可能性もあります。

スポーツ選手が愛用し、安全性は問題が無いと考えられていますが、それはあくまでも成長した身体において悪い影響がないだけであり、今回のように胎児という特殊な時期においては、慎重になったほうがいいかと思います。もしかしたら今後、「胎児の成長を促す!」なんて文句でクレアチンが販売されることがあるかもしれませんが、今後進められる詳細な研究結果を待ってから使用を決めてください。そして、もし周りに安易に手を出す妊婦さんがいたら、教えてあげてほしいなと思います。

元記事はこちら(Creatine – a vital breakthrough for baby health)

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