ミミズの生息地域を調べることで、気候変動を調査する?!学校と協力することで、様々な地域のデータを大量に取得するプロジェクト!

その姿、そして触った時の感触からあまり好きでは無い人も多いかもしれないミミズですが、古くから土壌を改善してくれる生物として、私たちの生活を支えてくれています。そんなミミズの新しい活用法として、どのような地域に、どのようなミミズが生息しているか調べることで、気候変動を知ろうという面白いプロジェクトがフィンランドで行われています。

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ミミズ

土の中で生活を営んでいる細長く柔らかい身体をもつミミズ。

目が無いことから、「目見えず」からメメズと名付けられ、いつの間にやらミミズに名前が変わったと言われている。

一見すると手足、頭、触覚などの器官が無いように見えるが、実はその体表には微小な視細胞が散在し、光を感じることができる。

種によって大きさが異なり、小さいものでは1 mm以下、大きなものでは3.5 mに達するものもある。

多くのミミズは土の中に生息しているが、水の中、さらには海の中にも生息している種もあり、我々の生活の中でも見かけることが多い生物であろう。

ミミズは土を食べ、その中に含まれる有機物や微生物などを消化吸収し、粒状の糞として排泄し、植物の育成に適した土壌に改良する働きをもつことから、古くから益虫として扱われている。

またタンパク質やミネラル、コラーゲン、ビタミンなどの栄養が豊富に含まれていることから、実は食材としても優秀であり、世界各地で食されている。

だが栄養が豊富だと言っても、食用でないミミズを食すことには注意していただきたい。

ミミズは重金属や農薬などに極めて強い耐性をもっているため、そのような汚染環境に生息しているミミズには、汚染物質が濃縮されている可能性があるからだ。

ミミズを調べて気候変動を知るプロジェクト?!

我々の生活範囲でよく見かけ、農業に、そして食材にと活躍しているミミズだが、さらにその活躍の場を広げようとしている。

ヘルシンキ大学の研究チームは、フィンランドのミミズの生息地域を調べることで、その地域の気候変動を知るというプロジェクト、その名もthe worm tracking teamを行っている。

現在では、フィンランド中の約100の学校の協力を得て、広くデータを集めているとのことだ。

プロジェクトに協力するには、専用のアプリをスマートフォンにインストールし、土の中からミミズを探し出し、その情報を送るという非常に簡単なシステムとなっている。

またミミズの探し方に関しても詳細なビデオやマニュアルが用意してあり、誰でもミミズ探しが行えるよう入念に準備されている。

一般の人が気軽に参加できるこのプロジェクト。

今後、どれくらいのデータが集まり、気候変動の解析がどのように行われるか、非常に興味深いプロジェクトである。

ミミズの生息地域から気候変動を解析しようという試みは考えもつかないものではないでしょうか。一体どうしてこのプロジェクトを思いついたのか、聞いてみたいところです。ミミズを使った研究は他にも行われているようで、イギリスではミミズが汚染に対して極めて強い耐性を示すことから、ミミズを汚染地域にばらまき、土壌の浄化を行おうという研究が行われていたり、ミミズ由来の酵素を用いてバイオエタノールを作ったりと思わぬところで活躍しています。

今回のプロジェクトで秀逸なのは、学校に協力を仰ぎ、授業に取り入れられるようにシステム化したところかもしれません。人が住んでいるところには学校はありますし、授業の一環として生徒にデータを収集してもらうことで、よりたくさんのデータを取得することができるでしょう。学生にとっても最新の研究に触れる機会が得られ、科学に興味をもつ生徒も出てくるかもしれません。

日本では子供の理系離れが話題になることもありますが、こういった生徒にとって難しくなく、最新の研究に協力できる体験型の教育というものを取り入れるべきなのではないでしょうか。そういう意味でもこの研究はニュースやマスコミに取り上げて欲しいなと思っています。

元記事はこちら(WORM TRACK­ING PUTS WORMS IN THE SPOT­LIGHT)

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