夜間シフトと乳がんの発生率には関連がないかもしれない。大規模調査により判明した研究結果とは?

夜間シフトの仕事をすることで、がんの発生率が高まるという報告は様々な研究機関から報告されています。SIGでも前にサーカディアンリズムが崩れるとがんの発生率が高まるという研究結果を紹介しました。

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今回、オックスフォード大学の大規模調査によると、乳がんに関しては夜間シフトと関連していないということが示唆されました。今後重要になってくる仕事とがんの関係性。調査は今日も続けられています。

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夜間シフトと乳がんの関連性

オックスフォード大学の研究チームは、夜間シフトの仕事と乳がんとの関連性はないと発表した。

世界保健機関の付属機関の一つである国際がん研究機関が2007年にシフト制の仕事では、体内時計であるサーカディアンリズムが狂い、がんの原因となると報告した。

この際には、乳がんにおいては動物実験の結果を引用しており、ヒトにおいてシフト制の仕事が乳がんと関連しているかは明らかとなっていなかった。

大規模調査

そこでオックスフォード大学の研究チームはthe Million Women Studyから522,246人、EPIC-Oxfordの患者から22,559人、UK Biobankの患者から251,045人、総計800,000人の女性を対象としたシフト制の仕事を乳がんとの関連の解析を行った。

その結果、夜間にシフト制の仕事を行う人と乳がんの間には関連性は見られなかった。

また研究チームはこれまで世界中で行われた調査結果を精査しても、関連性は見られなかったと報告している。

これまでの調査結果と今回の調査結果をまとめると、夜間シフトの仕事をしない人と乳がんの統計的関連性は0.99、20年以上夜間シフトをしている人では1.01、30年以上夜間シフトの仕事をしている人では1.00であり、夜間シフトの仕事をする、しない、さらには長期間夜間シフトの仕事をすることに対し、乳がんの発生リスクは増加しないことを示している。

夜間シフトで働く女性

イギリスでは、6人に1人の女性、総計200万人の女性がシフト制の仕事をしており、そのうち半分の100万人が夜間シフトのある仕事に従事していると言われている。

女性にとって、乳がんというのは一般的ながんであり、その原因を突き止めることは重要なことである。

今回の調査結果では、夜間シフトと乳がんに関連性がないということから、雇用者にとっても、従業員にとっても夜間シフトによる乳がんを必要以上に恐れなくてもいいということを示している。

現在、生涯に乳がんにかかる女性は12人に1人と言われています。そして女性の死亡原因としては約1%の割合となり、2015年にも13,000人を超える人が乳がんで亡くなっています。女性において、最も罹患率が高いがんである乳がん。この割合を減らすというのは、女性の命を守る為、重要な課題の一つと言えます。

今回、夜間シフトと乳がんには関連性がないという報告がされましたが、他のがんとの関連性は報告されており、乳がんと関連がないからといって、むやみに夜間シフトの仕事を強制するというのはしないほうが良いでしょう。

しかしながら、仕事の内容によってはどうしても無くすことのできない夜間シフト。例えば、工場だったり、医師や看護婦など産業的に必要な夜間シフトというのは存在します。このような人たちの為にも、夜間シフトの仕事に従事している人に対しては、健康診断をより頻繁に行うとか、がん検診を定期的に受けさせるとか新たな対策が必要になることでしょう。

雇用者も従業員も、そして政府としても働く人が健康に過ごせる様、環境の整備を進めていって欲しいなと思っています。

元記事はこちら(No link between night shifts and breast cancer, study concludes)

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