銀で蜂の巣構造を作ることにより、二酸化炭素を一酸化炭素に変換する手法の開発!

産業を発展させるため、日々大量に放出されている二酸化炭素。その二酸化炭素が地球温暖化を招いていることはみなさんもご存知のことでしょう。もし大気中に存在する二酸化炭素を燃料に変換することができれば、地球温暖化の防止と燃料の枯渇という二つの世界的問題を一気に解決することができるかもしれません。

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地球温暖化のメカニズム

地球は太陽の光により熱せられるが、熱のエネルギーは赤外線となり宇宙空間に放出される。

だが全てが宇宙空間に放出されるわけではなく、大気により一定量の熱は地表に留まる。

だからこそ地球は生命が生きられるほど温暖な環境となっている。

しかしながら産業革命以降、石油を大量に燃やし、動力や電気として用いることで、発展してきた社会。

その結果、燃やされた石油から莫大な量の二酸化炭素が大気中に放出された。

二酸化炭素は熱の吸収が多い物質であり、本来宇宙空間に放出されるべき熱までも地表に留めるようになってしまった。

これが大気中の二酸化炭素量が増加したことによる地球温暖化のメカニズムである。

二酸化炭素から燃料を作る

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、地球温暖化の原因である二酸化炭素から燃料を作り出そうと研究を進めている。

石油などの有機物には炭素(C)が含まれており、燃焼することにより、酸素原子(O)が二つ結合し、二酸化炭素(CO2)となる。

また燃焼が不完全な場合は、一酸化炭素(CO)となることもある。

通常、二酸化炭素は安定な物質であり、変化することはほぼない。

二酸化炭素を他の物質に変換するためには、高温環境だったり、高圧環境など大量のエネルギーを使わなければ困難である。

だが大量のエネルギーを使うということは、そのエネルギーをどこからもってくるのかという新しい問題が浮かび上がる。

そこで反応を手助けする触媒を用い、投入するエネルギーを下げることにより、二酸化炭素から他の物質への変換を実用化させようという研究が世界中で進められている。

まずは一酸化炭素へ

多くの研究機関で行われている二酸化炭素の物質変換だが、その変換先の物質として、メタンやメタノールなど燃焼可能な物質への変換を目指している。

だが彼らは二酸化炭素から一酸化炭素への変換を目指している。

一酸化炭素そのままでは産業的価値は低いが、一酸化炭素から他の物質への変換はこれまでにも研究されており、燃料や他の物質への変換手法は確立されているからである。

いかに二酸化炭素から一酸化炭素への変換を効率良く行うか、それが現状において一番重要であると考えているわけだ。

穴の空いた銀

彼らは二酸化炭素から一酸化炭素への変換を手助けする触媒として、銀を選んだ。

何故なら銀はその形を変えることにより、様々な反応を触媒することができるからだ。

そして反応の効率を上げるため、反応する面積をなるべく多く確保することが必要になる。

つまりたくさんの穴が空いた構造(ポーラス構造)にすることが適切であると考えられる。

ではどのような形の穴をどのようなサイズで作ればいいのか、そこが今回の研究の課題であった。

蜂の巣構造

彼らが注目したのは蜂の巣構造である。

ポリスチレンのビーズを導電性基板に乗せ、銀をそこに乗せる。

そしてポリスチレンのビーズを取り除くと、ビーズのサイズに依存した六角形の穴がたくさん並んだ蜂の巣構造を作ることができる。

彼らはこの蜂の巣構造の穴の高さやサイズを巧妙に変化させ検討を重ねたところ、高さが高くなるほど、二酸化炭素から一酸化炭素に変換する効率が高くなることを明らかとした。

またその変換効率は高さを変えるだけで、5%から85%まで自由に変化させることもできることを突き止めた。

今回、実験室レベルで二酸化炭素を燃料に変換するきっかけとなる結果が得られたが、実用化するにはまだまだ様々な研究が必要となる。

だがこのような研究が実用化されれば、地球温暖化から地球を救うことができるばかりか、化石燃料の枯渇という産業上重要な問題も一挙に解決することができるかもしれない。

二酸化炭素をどうにかして燃料にしようという試みは現在世界中で行われています。その中で一つの課題としては、二酸化炭素はものすごく安定な物質であるため、なかなか変換することができず、変換するためには大量のエネルギーが必要であることが挙げられます。

また二酸化炭素が大気中に増えたとはいえ、大気の成分である窒素78%、酸素21%、その他が1%であり、二酸化炭素は窒素や酸素に比べ、ごくごく微量です。この膨大に薄められた二酸化炭素をどのようにして集め、反応させるかということも課題となっています。

そのためなかなか産業的に利益が上がらないと予測されており、民間企業が参入しづらいというのが現状でしょう。いかにしてコストを下げ、利益が出るようにするのか、このハードルを越えなければ、産業として成り立たないことでしょう。

しかしながらもし産業として成り立つようになったら、循環型社会を構築できるため、これまでのように社会の発展と地球環境の保全が相反するものではなく、両立できるものとなるでしょう。このような技術はさらに発展し、いち早く社会に出てきてほしいと願っています。

元記事はこちら(Turning greenhouse gas into gasoline. New catalyst provides design principles for producing fuels from carbon dioxide emissions.)

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