大麻がどのようにして精神疾患を引き起こすのか?そのメカニズムの解明に向けて!

日本では違法薬物である大麻。現在、世界では規制を緩め、個人使用を許可している地域も出てきています。しかしながら大麻も脳に作用する薬物の一種。他の薬物と比較して、害が少ないとはいえ、精神疾患を引き起こす可能性が強く示唆されています。そのメカニズムを研究し、大麻の使用に警告を発している研究チームがあります。

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脳の報酬系

ヒトや動物の脳において、欲求が満たされた時、また満たされると分かった時に快感を与えるシステムが存在する。

それが脳の報酬系である。

その欲求は喉の渇きや食欲など生物学的で短期的なものから、褒められたり、愛されたりといった社会的で長期的なものまで様々である。

脳ではそのような欲求が満たされた時、ドーパミンが分泌され、我々は心地よいと感じるようになっている。

しかしその報酬系が活性化されるのは、実は何も報酬が満たされた時だけではない。

大麻やコカイン、覚せい剤などドーパミンの働きと同じ働きをする薬物が体内に入った時でも報酬系が活性化されたときのような快感を得ることができる。

このような薬物は中毒性があり、また確実に身体を蝕むことが明らかとなっており、規制されている国も多い。

だが近年、大麻においては中毒性や身体への害が少ないということから、規制を緩め、個人使用を許可している国も出てきている。

本当に規制を緩めてしまっていいのだろうか?

大麻と精神疾患

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームは、大麻を長期間使用することによる精神への影響を研究している。

大麻はアメリカでは薬物の中でもかなり一般的な薬物である。

4つの州では個人使用が許可されており、さらに4つの州では医療用としての使用が許可されている。

そして半数以上のアメリカの若者が人生で一度は大麻の使用経験があり、ヨーロッパではヘロイン中毒よりも大麻中毒により専門機関へ入院する人が多い。

重度の大麻の使用は精神異常や中毒、うつ病、自殺などの精神疾患のリスクを高めることが明らかとなっている。

しかしながら現在のところ、有効な治療法は確立されておらず、世界的にメンタルヘルスの問題として挙げられるようになってきている。

薬物と報酬系

研究チームはこの状況を食い止めるために、大麻がどのように脳に影響するかの理解を深めようと研究を進めている。

脳では上に述べたように報酬系を司る脳内物質としてドーパミンが存在する。

彼らは大麻の長期使用者では、このドーパミンによる報酬系が鈍くなっていると結論づけている。

これはコカインやアンフェタミンのような薬物と同様であるが、その度合いがかなり異なっている可能性があるという。

THC:TetraHydroCannabinol

彼らが注目しているのは、大麻の成分であるTHC(テトラフィドロカンナビノール)という物質である。

この物質は使用者の脳内のドーパミン量を変化させることにより、幸福感を与えたり、気分をハイにさせたりする。

そしてこの物質が中毒を引き起こしたり、精神疾患を引き起こすなどしている。

これまでの動物を用いた研究では、THCが脳に作用すると短期的にドーパミンの量が増加することで幸福感を得、それが中毒に繋がることが明らかになっている。

このドーパミンの異常な増加が繰り返されることにより、脳はドーパミンの量の増加に鈍くなり、幸福感を得られなくなり、精神疾患を引き起こすと考えられる。

だが動物の寿命はヒトの寿命よりもかなり短く、他のアルコールやタバコのような他の因子の影響を検討することは難しい。

そこで研究チームは大麻と他の要因との組み合わせによる脳への影響を検討予定である。

合法的な薬物であれば、使用するか、使用しないかの判断は個人が決めることになります。そのため今回のような根拠がしっかりとした情報は広く発信するべきでしょう。合法だからといって身体に何の影響もないというわけではないのです。

そういう意味ではタバコもアルコールも薬物であり、なぜ規制されないのかということは不思議に思う人もいるでしょう。あまりに規制を強めてしまうと、今度は暴力団やマフィアなどの財源になることが考えられます。それならばすでに広まっているタバコ、アルコールは国が管理して、財源にしようというのが現状なのでしょう。

現在、タバコは価格の63.1%が税金となっています。私も喫煙者なので、タバコ税を払っている一人なのですが、タバコ価格の半分以上が税金だと思うと、ちょっと国にそこまでお金を払う価値はあるのだろうかと考えてしまいますね。

元記事はこちら(Cannabis blunts the brain’s reward system)

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