体内時計を調節するのは光だけではなかった!気温によっても影響を受けることが明らかに!

体内時計を調節する因子として、光、特に日の光というのが重要だと言われています。ですが、実はそれだけではなく、気温も生体リズムを調節するのに重要であることが明らかとなりました。光と温度、この二つを用いて、より良い生活サイクルを生み出すきっかけとなるかもしれません。

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体内時計は光だけでなく、温度も感知?

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームは、体内時計は光だけでなく、気温によっても影響を受けることを報告した。

研究チームはハエを用いて、光と気温を異なるサイクルにすることにより実験を行った。

自然な状況としては、12時間光があり、暖かく、残りの12時間を暗く、気温が低い条件にし、そこから光のサイクルを2時間から10時間変化させ、ハエの体内時計のサイクルの変化を観察した。

その結果、光と気温の時間のずれの差が少ない場合には、体内時計への影響は比較的少なく、光と気温の間で覚醒した。

その一方で、光と気温の時間のずれが大きくなると、気温による影響は無視され、体内時計は光によりリセットされることが判明した。

しかしながら、光と気温のずれが6時間程度の場合、体内時計は狂い、覚醒のサイクルは乱れることが明らかとなった。

体内時計を調節する因子

これまでの研究で、体内時計を調整するものとして光がずっと注目されてきた。

そしてその一方で他の環境因子といものは、見落とされてきた。

もちろんその中には気温も含まれている。

しかしながら研究チームは、近年1日の体温変化のリズムが体内時計を調節するのに重要であるという研究から、気温も生体リズムを調節するのに重要な役割をすると考え、今回の研究を行った。

そしてこの研究結果で注目すべきは、光と気温の時間のずれによっては、体内時計が狂ってしまうというところである。

これまではシフト制の仕事をする人が、光を浴びる時間がずれることによって体内時計が狂い、体調を崩すことが懸念されてきた。

だが体内時計が気温によっても影響を受けるという結果は、例えばエアコンなどの温度調節機器などによっても、生体リズムが影響を受けるかもしれないことを示唆している。

進化と体内時計

人間を含むすべての生物は、地球環境に合わせ、進化してきた。

そのことを考えると約12時間太陽の光を浴び、残りの時間を暗闇で過ごすということを、それこそ気の遠くなるような昔から行ってきたのだ。

人間を含む恒温動物は自身で熱を生み出し、体温を一定にし、気温が下がっても動くことはできるが、昆虫のような変温動物は夜気温が下がると動けなくなってしまう。

つまり光だけでなく、気温による体内時計の調整という機能が生体システムに刻まれていることはなんら不思議ではないのだ。

このように体内時計を調節する因子の詳細が明らかになってくれば、よりより睡眠、そして生活をしていく指針になることだろう。

現代は科学技術が発達し、人間は環境を快適にする術をたくさんもつようになりました。暗くなれば照明を付け、暑くなれば冷房を、寒くなれば暖房をつける。それこそ1年中同じ環境で過ごすことも可能になったわけです。

ですが生命が生まれ40億年。ずっと生物は地球のサイクルに合わせ、生活を営んできました。それがこの数十年で一変したわけです。もちろん人間の性質はそんなにすぐに変わるものではありません。100年も前から見ると、夢のような快適な暮らしとなっている現代ですが、もしかしたらこのような技術は、生体システムに対し何らかのひずみを生み出していることもあるのかもしれません。

例えばうつ病だったり、がんだったり、生活リズムが崩れることで、影響を受ける病気はいくつもあることでしょう。たくさんの人が朝も夜もなく働き、多くの都市が眠らない街となった現代、発達した科学技術を用いて、少しだけでも昔の生活に近づけることが必要なのかもしれませんね。

元記事はこちら(Mismatched light and heat levels can disrupt body clock)

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