動物と一緒にゲームをして楽しむことで、動物たちの生活の質を向上させる研究

動物園に行くと様々な動物たちと出会うことができます。ですが、動物の中にはそれこそ人間の子供くらいの知能をもった動物もいます。そんな高い知性をもつ動物は、狭い檻の中で退屈な生活を送っているようです。彼らを退屈な生活から救ってあげるのは、実はあなたかもしれません。

スポンサーリンク

檻の中の動物たち

オーストラリア国立大学の研究チームが、檻の中のチンパンジーやオラウータンにテレビゲームをさせることで、QOL(Quality Of Life:生活の質)を上げることができると報告した。

知能の高いと言われているチンパンジーやオラウータン。

その知能の高さからか、檻の中で飼われていると退屈を感じるようになるという。

そこで研究チームがとった方策とは、彼らと動物園を訪れた人たちとの間で楽しめるゲームを設置することだった。

双方向のゲーム

これまで動物園では訪れた人たちは檻の外側から動物達を眺めるだけだった。

だがタッチパネルを搭載した双方向のゲームを設置することで、チンパンジーやオラウータンのような知性の高い動物と間接的ながら触れ合うことができる。

研究チームは数種のゲームを搭載したタッチパネルを設置することで、動物たちの生活の質を向上させるとともに、訪れた人たちを楽しませることができると考えている。

実際、調査によるとゲームを通じて触れ合った85%の人がチンパンジーやオラウータンの種の保存に協力したいと思う様になったという。

確かに動物たちにゲームをさせるというのは自然ではないという意見もあるだろうが、彼らはそれは動物は自然の姿であるべきだという人間の先入観によるものかもしれないと研究チームは考えている。

クラウドファンディングによる研究費調達

この研究を進めるにあたって研究チームは、クラウドファンディングにより研究費を募っている。

When great apes exert control over their environment their welfare improves, and when zoo visitors have opportunities to interact with great apes their desire t...

最初の目標額は$1,000(約84,000円)と少額であり、研究チームは4TBの外付けハードディスクを二つと、ケーブルやアダプター、粘着テープなどの小物を購入したいと考えている。

だが$3,000(約25万円)で記録用ビデオ、$5,000(約42万円)でタッチパネルを購入するというストレッチゴールも用意している。

動物園という狭く退屈な環境に置かれている動物たちに、私たちができることは一体どういうことなのか、もう一度考えてみる必要があるのかもしれない。

もし今の動物園の環境に自分が置かれたら?なんて考えたことがある人もいることでしょう。毎日、決まった時間に食事が出てきて、仕事や勉強もしないで、のんびり過ごす。うらやましいなと思う人もいるかもしれませんね。

でも本当にそうでしょうか?食べて寝るだけの生活、もちろんインターネットもテレビも雑誌もありませんし、外に出ることすら許されません。要するに刺激的なものは全くない環境で生活をしなければいけないのです。

もし人間が何もない真っ白な部屋に閉じ込められると2日程で発狂してしまうと言われています。さすがに動物園の檻の中はそこまで酷くはありませんが、それでもかなりの確率で精神を病んでしまうことでしょう。そう考えると、動物園の動物たちはかなり刺激が制限された環境にいることは容易に類推されるのです。

種の保存のために適切な環境で飼育されている動物たち。今後は彼らのメンタルヘルスも重要な課題なのかもしれませんね。

元記事はこちら(Digital games can improve life for apes in captivity)

この記事を読んでくれたあなたへひろやんからのオススメ記事

脳の血管の詰まりを探すオンラインゲーム!もしかしたら将来、多くの人に必要とされる職業かも?〜Stall Catchers〜
現在、研究を加速化させるために、一般の人々の力を借りるという研究者は多くなってきています。もちろんクラウドファンディングのようにお金を必要としてい...
共生微生物とヒトの健康を関連づけるため、ゲームにしてみた!〜Colony B〜
ヒトには膨大な数と種類の微生物が共生しています。そして互いに影響し合い、日々の生活を営んでいます。最近の研究では、このような共生微生物はヒトの健康...