世界最小のラジオ現る?!その受信回路はなんと原子2個分!

テレビやインターネットが普及するにつれて、音声だけのラジオは聴く人も少なくなってしまったことでしょう。でもまだまだ最先端の科学ではラジオのグレードアップとともに新しい利用法を探索しています。一体最先端の技術でどのようなラジオを研究しているのか。できたラジオの受信回路はたった原子2個分という極小のラジオでした。

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世界最小のラジオ

スタンフォード大学の研究チームが、世界最小のラジオの受信回路を作り出したと報告した。

そのサイズはなんと原子2個分。

原子1個は0.1 nm程度であり、現在盛んに研究されているナノテクノロジーは数nmから数百nmレベルの技術なので、それよりもさらに10倍以上小さな物質でラジオを受信できる構造を作り出したというわけだ。

ラジオの構造

ラジオはみなさんご存知のとおり、電波を使って音を受信できる装置である。

ラジオの構造は簡単にいうと、受信回路、検波回路、増幅回路、出力回路の4つから成り立っている。

受信回路で特定の電波を受信し、検波回路で電波から音を取り出し、増幅装置で信号を大きくし、出力回路で音として外部に出力するというわけだ。

今回の研究では、このうち受信回路を原子2個分にしたという。

一体その技術とはいかなるものなのだろうか?

Nitrogen-vacancy center

彼らが世界最小のラジオの受信回路に用いたのは、小さなダイヤモンドである。

ダイヤモンドは炭素原子が密に繋がった構造をしており、地球上でも有数の硬さを誇る鉱物である。

そのダイヤモンドの中の炭素原子を一つ取り除き、代わりに窒素原子を入れる。

さらに窒素原子の周りの原子を取り除くことで、Nitrogen-Vanancy centerという構造を作り出した。

この構造はごく弱い磁場を検出することができるが、それだけではなく単色光を当てると、よりエネルギーの弱い、つまり長波長の光に変換し、放出するという性質をもっている。

彼らが世界最小のラジオに用いた性質は、この磁場の検出と光変換の両方の性質である。

緑の光+磁場=赤色の光→音

彼らは上に述べた特殊なダイヤモンドに緑の光を当て、さらに電磁場としてFMラジオ波を当てた。

そうするとこのダイヤモンドは赤色の光を放出するが、その出力はラジオ波に沿ったものになるのだ。

そして赤色の光をフォトダイオードという光を電流に変換する回路を用い、電流に変換したのち、スピーカーなどで音として出力するのだ。

この構造はダイヤモンドを元にしているため、ものすごく耐久性があり、350度の環境下でも、さらには宇宙空間のような真空条件下でも音を鳴らすことができるという。

またダイヤモンドは人体に害とならないため、人の体に埋め込むと言ったことも可能かもしれない。

電波を受信するということにかけては、ラジオは一番古い技術でしょう。ですが、ラジオの技術の発展により、テレビやインターネットの発展に繋がったことと思います。今回はさらに原子2個分という極小のラジオの受信回路。この技術が商業化されると、もしかしたら電波を受信するあらゆるものが小さくなるのかもしれません。

現在はナノテクノロジーが発展し、あらゆるものが小型化され、そしてインターネットでの情報のやり取りが行われるIoTが産業の一つの中心になっています。どんな物質でも原子から成り立っていると考えると、究極の形は原子レベルでの制御になってくることでしょう。そしてそれは現在の科学技術を用いると制御可能、さらには製品にも利用可能であることを示したのが今回の研究ではないでしょうか。

こういった極小の世界が産業として利用可能になっていけば、新しいテクノロジーの世界が開かれると考えられます。そして企業としてはこういった最先端の科学をどのように利用していくのかということが重要になることでしょう。小さくなればなるほど、どんどん作製も制御も難しくなり、商業化へのハードルは上がるかもしれません。ですが、いかに製品に結びつけるかという点を担っているのが、企業であると考えると、不況でも踏ん張って、新しい技術を取り入れていってほしいなと思います。

元記事はこちら(The world’s tiniest radio. Harvard researchers create receiver with building blocks the size of two atoms)

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