情報科学的手法と分析化学的手法を用い、消費者にとってより良い化学物質の組み合わせを調査する?!

化学物質というと、拒否反応を示す人もいるかと思いますが、我々は日々大量の化学物質に曝されているのが現状です。洗剤、シャンプー、石鹸、入浴剤、歯磨き粉。どれも複数の化学物質が含まれているものばかりなのです。こういった化学物質から、我々の健康を守る為、製品の成分を情報科学と分析化学の両方から解析をしている研究チームがあります。

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身の回りの化学物質

化学物質というと多くの人が治療薬や農薬、殺虫剤などの薬剤を思い浮かべるかもしれない。

だが実は化学物質は我々の生活に密接に関与しており、人は毎日何十もの化学物質に触れている。

例えば、石鹸やシャンプー、歯磨き粉、化粧品なども多くの化学物質を含んでいる。

そのため消費者にとって、どんなものにどんな化学物質が含まれているのか、その化学物質のリスク、混ぜ合わせた際に起こる影響などを把握するのは容易ではないのが現状である。

製品に含まれる成分の解析

イリノイ大学の研究チームは、日々使用される化学物質を含んでいる製品に、どのような成分がよく使われており、どんな組み合わせになっているのか解析を進めている。

彼らはウェブスクレイピングプログラムというウェブサイトから必要な情報を抽出するプログラムを用い、Drugstore.comのようなサイトから、商品名、分類、含有物質などの情報を収集した。

そして約39,000の製品とそれに含まれる32,000の化合物のデータベースを作り上げた。

この時、問題となったのが、化合物の名前である。

化合物の名前の付け方は複雑であり、ある一つの物質であっても、製品により異なる名前を採用していることがある。

例えばアロマで使われるウインターグリーンオイルは、別の名前だとサリチル酸メチルといい、内分泌撹乱物質であると疑われている化合物である。

さらに研究チームは実際の製品をガスクロマトグラフィー分析し、内分泌撹乱物質、または喘息を引き起こす疑いのある55種類の化合物が含まれていないかを調査した。

その結果、彼らのデータベースにある製品のうち30%は少なくとも一つ以上の化合物が含まれ、さらに13%の製品には1つ以上含まれていることが明らかとなった。

情報科学と分析化学の組み合わせ

今回、インターネットから情報を収集しており、このような手法は情報科学的手法と呼ばれている。

またガスクロマトグラフィーのように成分を分析するのは分析化学的手法である。

情報科学的手法では、短時間に大量の情報を処理することができる一方、分析化学的手法では、サンプルを準備し、実験を行うなど、時間的制約が大きくなる。

しかしながら、情報科学的手法も完璧だとは言えない。

製品に含まれていても、表示に記載されていない成分もあり、完全な成分リストになっているわけではないのである。

今回のように、情報科学と分析化学を相補的に用い、迅速に、そして正確に製品に何が含まれているのかを解析することが重要なのである。

現代では、知らず知らずのうちに大量の化学物質に触れていることでしょう。シャンプーや石鹸など肌に触れるものもそうですが、食品に含まれる保存料や着色料、さらにはpH調整剤や味の調整に用いられる化合物、なかなか化学物質無しで生活しようと思っても難しいのが現状なのです。

しかし、これらの化学物質一つ一つは様々な安全性試験が行われ、人体にとって、また環境にとって安全であることが確認された上で、製品に利用されています。さらに製品になった段階でも厳しい安全性試験が行われています。それなのでそれほど心配することはないでしょう。

ただ現在の製品がベストかと言われるとそれはまた違うことでしょう。各社色々な考えのもとで製品を作り出しており、使用する成分、分量はまちまちなわけです。より良い製品が生まれる為、今回のような研究はまだまだ重要なことでしょう。

元記事はこちら(An informatics approach helps better identify chemical combinations in consumer products)

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