脳卒中で傷ついた部位に新しい細胞が移動し、病変部を修復するメカニズムが解明される?!

突然発症し、命を奪う脳卒中。幸運にも命が助かっても、その後の生活に大きな支障をきたす場合も少なくありません。これまでは脳細胞は一度傷つくと、なかなか修復されないということが言われていましたが、どうやら脳にも修復メカニズムは存在する様です。

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白質の卒中

カルフォリニア大学ロサンジェルス校の研究チームは、脳卒中で脳細胞が破壊されでも、その後、修復されることを発見した。

脳卒中にはいくつかタイプがあり、太い動脈が血栓により詰まるもの、また一過性に血流が減少する虚血性のものなどがある。

だがそれらとは異なり、脳の白質で起こる卒中は、脳の奥に存在する細く小さな血管が気づかないうちに、少しずつ詰まっていく。

その結果、記憶や歩行、プランニング、問題解決などを司る脳の領域がダメージを受け、アルツハイマー病を促進してしまう。

病変部に細胞が移動する?!

白質卒中はこのように一般的に起き、さらに壊滅的な結果をもたらすにもかかわらず、まだあまり解析が進んでいない領域の一つである。

今回、研究チームは5年間の研究期間を経て、白質卒中が起こった後、新しい細胞が病変部に送られるという現象を発見した。

しかしながら、その現象はそれほど長くは続かず、修復はすぐに止まってしまった。

そこで研究チームはこれまでの研究で得られた知見を生かし、この修復機構に関与する分子受容体を探索することにした。

その結果、ある受容体をブロックすることで、移動した細胞が病変部を修復する現象を観察することができた。

アメリカでは年間約795,000人の卒中患者が生まれ、さらに約130,000人が亡くなっている。

新しい治療法が開発されることにより、この様な患者の命を救うことができるかもしれない。

これまで完治は難しかった脳卒中。その治療方法は実は細胞にプログラムされていたのかもしれません。まだまだ不明な点が多い脳科学の分野。科学の進歩に伴い、少しずつですがそのメカニズムが解明されつつある様に感じます。

脳細胞を再生できるというのは、今後ますます高齢化社会になっていく世界において、必要不可欠な技術となることでしょう。そのきっかけとなる研究を、わずか5年という短い期間で成し遂げたのは、驚嘆に値するのではないでしょうか。

今後はこの技術を実用化し、治験を行う方向に進んでいくかと思いますが、少しでも早く実用化されるよう願っています。

元記事はこちら(UCLA study shows how brain begins repairs after ‘silent strokes’. Blocking a molecular receptor helps restore brain function)

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