薬剤耐性菌を迅速簡便に診断できるスマートフォン用アタッチメントの開発!

医療業界で大きな問題となっている薬剤耐性菌。拡散を防止するには、薬剤耐性菌の診断を正確に行わなければなりません。日本のように即座に調べられる環境がある地域なら、正しい対処ができるかもしれませんが、そのような設備がない地域ではどうしたらいいでしょうか?その解決策として迅速簡便に診断できる機器の開発が行われています。

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薬剤耐性菌と診断デバイス開発

カルフォルニア大学ロサンジェルス校の研究チームが、スマートフォンに取り付け、抗菌薬耐性菌の検査を行えるデバイスを開発したと報告した。

薬剤耐性菌は現在世界中で問題であり、特に肺炎、下痢、敗血症など高死亡率な病状を引き起こす菌が薬剤耐性を獲得することが、世界の公衆衛生において大きな懸念事項となっている。

だが発展途上国のような研究所で検査を簡単に行えない地域もあり、簡便に薬剤耐性菌の診断ができるようなデバイスの開発が望まれている。

そのような状況において、研究チームは安価で自動に検査が行えるスマートフォンアタッチメントの開発を行った。

デバイスの仕組み

彼らの診断デバイスはスマートフォンに取り付け、96穴プレートを保持できる構造となっている。

この96穴プレートには異なる量の薬剤が配置されており、そこに検査対象となる菌を濃度を変化させて混合する。

そのプレートをLEDライトでサンプルを照らし、スマートフォンのカメラでそれぞれのサンプルの透過度の変化を検出する仕組みになっている。

得られたデータは自動でサーバーに送られ、薬剤耐性菌かどうか検査され、結果は1分ほどでスマートフォンに返信される。

研究チームは実際にKlebsiella pneumoniaeと呼ばれる肺炎の原因となり、高い薬剤耐性を示す菌と17種類の異なる抗生物質を用い、デバイスの性能の確認を行った。

この菌は常在菌として知られており、今回臨床試験に際して、78サンプルを患者から取得した。

その結果、このデバイスは98.2%という高い正確さで薬剤耐性菌を診断することができた。

いつ何時拡散するか分からない薬剤耐性菌。

どこでも簡単に診断するデバイスが広まることにより、その拡散を防止できると期待される。

スマートフォンの性能が上がるにつれ、このような使用法が実施できるようになってきました。こういうことを目の当たりにすると、技術の進歩というのはものすごく早く、すごいものだなと感心してしまいます。

これまで専門の医療機関でしかできなかった診断が、どんな地域でもできるようになることは早期発見、早期治療において重要なことだと考えられます。こういった迅速簡便な診断機器が発展してくると、もしかしたら家庭でも使える診断キットのようなものが普及するのかもしれないなと感じます。

さらにはこういったデバイスのほとんどがデータを医療機関のサーバーに自動にアップロードし、解析するというのはインターネットが普及したからできることでしょう。現代は様々な技術のベースができ、新しい技術が生み出される、そんな過渡期なのかもしれません。今後、どんな技術が組み合わされ、どんな新しい技術が開発されるのか、もしかしたら一番楽しめる時代に我々は生きているのかもしれませんね。

元記事はこちら(UCLA researchers combat antimicrobial resistance using smartphones. A simple, inexpensive attachment could help to expand testing to regions with limited resources)

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