脳の活動パターンを調べ、トレーニングにより変化させることにより、恐怖の感情を減少させることができる?!

ある時には恐怖を感じ、ある時には自信をもつ、その情報処理をどうやって脳が行っているのかは未だ謎に包まれています。脳の活動パターンを調べ、トレーニングにより変化させることで、恐怖感を和らげたり、不安感を無くしたり、さらにはうつ病や摂食障害などを治療しようという研究が進められています。

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脳の活動パターンの解析

カルフォルニア大学ロサンジェスル校の研究チームは、恐怖に打ち勝ち、自信をもつことを助ける脳の活動パターンを解析する手法を構築したと報告した。

この方法を用いれば、うつ病や痴呆、不安による混乱、トラウマによる混乱などの治療に助けになるかもしれず、さらには管理職の人がリーダーシップを改善するトレーニングにおいても重要な役割を果たすかもしれないという。

彼らが用いた手法はdecoded neurofeedbackという。

被験者の特定の記憶に関連づけられた脳の活動パターンを同定し、何らかのフィードバックを与え、脳の活動パターンを変化させるという手法である。

4色のパターン画像

研究チームはこの手法を用いて、日本で17人の学生を対象に実験を行った。

被験者を脳の活動パターンを計測できるfMRIに配置し、赤、緑、青、黄色からなる4種類の縦のラインのパターンの画像を見せる。

赤と緑の画像をを見せた時には、被験者の足に弱い電気ショックを与え、青と黄色の画像を見せた時には電気ショックを与えなかった。

それを繰り返すと、被験者の脳の活動パターンは赤と緑は恐怖の対象として記録される。

その後、decoded neurofeedbackを行い、赤の画像の恐怖感を失わせるよう誘導する。

つまり赤の画像を見た際に何らかのご褒美がもらえるようにしたのだ。

今回の実験では10セントくらいの現金にしたという。

こうすることで赤の画像は最初恐怖の対象として記憶されたのだが、報酬をもらえるということで、脳にとってその恐怖感が和らぐというわけである。

恐怖の記憶が変化した?!

脳にそのような記憶をさせた後、後日改めて同じ実験を行ったところ、赤のパターンでは恐怖を示す脳の活動パターンが顕著に減少したという。

この恐怖というネガティブな感情がポジティブな感情に変わったのは、たった三日のトレーニングであったという。

またこのトレーニングの後でも、やはり緑の画像を見た際には、恐怖の脳の活動パターンが見られたという。

つまり脳はまだ緑の画像を電気ショックと関連づけており、その恐怖の記憶が解消されていないわけである。

このように脳の活動パターンを調べ、変化させることにより、うつ病や痴呆、不安感、さらには摂食障害、ギャンブル中毒などを治療法を確立できると期待される。

脳科学はあまり詳しくないのですが、どうもdecoded neurofeedbackという手法は日本で開発されたようです。これまではトラウマのように過去の辛い記憶というのは、後々まで影響し、なかなか治療が難しいと言われていました。様々な治療法が生み出されてきたのですが、治療の効果を数値化や可視化できず、あくまでも患者本人の感覚だったのが、その原因ではないでしょうか。

この技術を用いれば、脳の活動パターンという目に見える形で、患者がどのように感じているのか知ることができるため、より効率的に治療が行えるのではないかと思います。まだまだ脳の活動に関しては分からないことが多いですが、こういった新しい手法が開発されていくことで、いつかは脳の全てが分かる日がくることでしょう。そんな日を楽しみにしていたいと思います。

元記事はこちら(Analyzing brain patterns may help neuroscientists increase people’s confidence, reduce fear. UCLA-led research offers promise for treating anxiety, eating disorders)

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