要介護者における身体の拘束と死因の関連性についての調査!身体に負担をかけず、要介護者の安全を確保する方法が必要である!

誰もが高齢になると、発症する可能性のある痴呆。時には自分を傷つけたり、深夜に徘徊したりと要介護者本人の安全性が危ぶまれることがあります。そのため、身体を拘束することがあるのですが、それが要介護者の死亡に繋がったら、本末転倒です。今後、世界中で高齢化社会になり、痴呆を発症する人も多くなると予想されています。いかに身体に負担をかけず、要介護者の安全を守るのか、大きな課題となっています。

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老化と痴呆

モナシュ大学の研究チームは、老人ホームにおける身体的拘束と死亡原因の関連性を研究している。

人は年齢を重ね、身体能力が低下すると、様々なことをするのが困難になる。

例えば、足の筋肉が落ちると疲れやすくなったり、転倒の危険性が増加したり、また聴力が落ちれば、会話が困難になったり、そして視力が落ちれば、物を判断しにくくなるなどがある。

その中の一つに脳の機能が衰え、記憶や行動に支障が出るパターンもある。

それが痴呆である。

脳細胞は20歳前後まで発達を続けるが、その後緩やかに老化し、脳細胞は少なくなっていく傾向にある。

そしてその脳細胞の数が過剰に減少すると、記憶障害や不可解な行動などを引き起こす。

現在、世界は高齢化社会へと向かっており、2050年までに2億2500万人が痴呆になると言われている。

介護における身体の拘束

高齢になると上に述べたように、身体の自由が利かなくなることがあり、介護を必要とすることがある。

家族で介護を行うこともあるのだが、肉体的な負担と精神的な負担が大きいため、仕事と両立することは困難であることも多い。

その場合、介護を専門とした老人介護施設へ入居するのだが、介護士の数も限られている。

痴呆になると、自傷行為をしたり、夜徘徊するといった行動が見られるのだが、全てが全て介護士が対応できるわけではない。

そのため、そのような危険な行動をする要介護者においては、身体を拘束するといった手段が行われる。

もちろん虐待ではなく、要介護者の安全を確保するためだ。

身体の拘束と死因

この状況において、研究チームは身体の拘束が要介護者の死因に関係するのではないかと13年間調査を行なった。

研究チームによると、身体の拘束により亡くなったと報告のあった5例を調査したところ、4人が痴呆と診断されていた。

また痴呆になることにより、身体的な拘束をされる可能性は3倍になると推測している。

亡くなった5人の死因は、頚部の圧迫や拘束による窒息であったと報告されている。

だがこれはあくまでも報告された例のみであり、実際にはもっと多いと推測されている。

つまりは身体の拘束が直接的原因ではなく、間接的原因として死亡したケースもあるということだ。

そのため研究チームは、早急に身体の拘束に変わる要介護者の安全を守る方法を検討すべきであると警鐘を鳴らしている。

これはなかなか難しい問題ですね。今後、高齢者が増加し、痴呆になる人も増加するのは間違いないですが、その反面、介護士の数が足りず、ただでさえ人手が足りないところに、こういった要介護者の安全を完全に守れというのはかなり厳しい状況でしょう。これは介護士の怠慢ではなく、人ができる仕事量には限界があるわけで、身体の拘束というのは介護士にとってはやりたくはなくても、仕方がなくやっているということが多いのではないでしょうか。

しかし様々な技術が発展している現在、色々と組み合わせればもっとよくなるのではないでしょうか。ドローンやロボットはまだまだバッテリーの不安があるにしても、常時見守るのには適しているでしょうし、ウェアラブルデバイスで危険な行動を察知するなんてこともできるかもしれません。といってもプライバシーの問題や技術的な問題はたくさんあることでしょう。

いかにして現在の技術を役立て、よりより社会を作っていくのか、その一つの方向性に高齢化社会というのがあるのは間違いないことでしょう。

元記事はこちら(Physical restraint use in nursing homes’ study reveals extent of resulting deaths)

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