胃酸分泌抑制剤と感染性胃腸炎の関連性に関する研究!医師の相談の上、用法用量を守ってお使いください!

ストレスで胃が痛い、飲み過ぎ食べ過ぎで胸やけがする。そんなとき胃腸薬を飲んでいますという人もいることでしょう。でももしかしたらその胃腸薬。まだまだ知られていない副作用があるかもしれません。大規模調査により分かった胃腸薬と胃腸炎の関連性に関して報告がありました。

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胃腸薬と胃腸炎の関連性

オーストラリア国立大学の研究チームが、胸焼けを抑える薬と胃腸炎の関連性について報告を行った。

その報告によると胃痛・胸やけにプロトンポンプ阻害薬を用いている人は、感染性胃腸炎により入院するリスクが70%上昇するという。

プロトンポンプ阻害薬:PPIs

プロトンポンプ阻害薬とは胃の細胞壁のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑える薬である。

生物の細胞においては、細胞の内外において、様々な物質の濃度をコントロールしている。

例えば食塩の成分であるナトリウムは、細胞の外の方が中よりも濃度が高くなるように、細胞の中にナトリウムが過剰になった際には、細胞膜に存在するポンプがナトリウムを排出する。

またこのようなポンプはエネルギーを作り出すのにも重要であり、エネルギーを作り出すミトコンドリアでは、膜の内外において水素イオン(H+:プロトン)の濃度差を作り出し、それが元に戻るときのエネルギーを使い、生体エネルギーであるATPを作り出している。

胃においては、強い酸である胃酸を作り出すために、プロトン用のポンプが使われているのだが、あまりに胃酸が多くなりすぎると胃痛・胸やけといった症状を生じる。

そのため、胃酸を作り出さないようプロトンポンプの役割を妨げるのが、プロトンポンプ阻害薬である。

このプロトンポンプ阻害薬は世界でも一般的に使われている胃酸分泌抑制剤であり、オーストラリアでは年間1900万回も処方されている。

プロトンポンプ阻害薬と感染性胃腸炎

今回研究チームは、2010年にオーストラリアのthe ANU National Centre for Epidemiology and Population Healthから報告された、1510万件もの症例を解析した。

その結果、プロトンポンプ阻害薬は胃酸の逆流や胸やけに効果的であるのは間違いないが、感染性胃腸炎を患う可能性があるという副作用があることを報告した。

感染性胃腸炎は、オーストラリアにおいて、年間1310万日もの仕事日数を失わせている病気であり、医学だけではなく経済においての損失も大きい。

もし日常的にプロトンポンプ阻害薬系の胃酸分泌抑制剤を服用している人は、医師に一度相談し、適切な薬を処方してもらう方がいいかもしれない。

胃腸薬は家庭常備薬として使われるくらい一般的な薬になっているため、たまに使うくらいならそれほど心配することはないかと思います。でも「私は胃痛持ちだし…」といって長い間使用するのはあまりよくないことでしょう。

大体の薬において、ある程度の期間服用してよくならない場合は、医師に相談してくださいと注意書きがあります。私も色々薬を服用することもありますが、家庭常備薬だとなかなかそこまで気にせず用いてしまいがちですよね。

でも家庭常備薬とはいえ、薬は薬。症状がよくならない場合は、医師の診察を受けることは重要です。もし何らかの薬を常用してしまっているなんて人は、この機会に一度、医師に相談してみてもらいたいなと思います。

元記事はこちら(Gastric acid suppressants linked to hospitalisation)

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