高糖質の食事を摂ると遺伝子の発現が変化し、寿命に影響を与えるかもしれない?!食事と遺伝子の関係とは?

食事と寿命の関係は切っても切り離せない関係にあります。どんな食事をしたら、長生きできるのか、高齢化社会に向かっている現代において、重要な課題であることは間違いありません。でも若い時に不摂生をしてしまったら、その後食事を改善しても寿命は短くなっちゃいますよ、なんて言われたら結構衝撃的ではないでしょうか?今回紹介する研究はまさにそれを示唆するものだったりします。

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高糖質の食事は寿命が短くなる?!

モナシュ大学とユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの共同研究チームは、高糖質の食事を経験をしたハエは、たとえ食事を健康なものに戻したとしても、寿命が短くなることを発見した。

その原因は、高糖質の食事が長期間に渡って遺伝子の発現を変化させるためだという。

一体どういうことなのだろうか?

遺伝子の発現

遺伝子の発現というのは、端的に言うと遺伝子からタンパク質が作られることをいう。

生物はどんな生物であれ遺伝子をもっている。

遺伝子の大きな役割の一つとして、設計図として働くという役割があり、その設計図に沿って、様々な機能をもったタンパク質を作り出す。

細胞の中ではこのタンパク質が栄養素を分解したり、使いやすい形に変化させたりする。

この作られるタンパク質の種類や量というのは、どんな栄養素をどれくらいとっているのか、暑いところに住んでいるのか、寒いところに住んでいるのかなど様々な要因によって変化する。

これが遺伝子の発現の変化というわけだ。

健康食と高糖質食を用いた検討

今回、研究チームはメスのハエを用い、糖質を5%含む健康食とその8倍の糖質を含む高糖質食による寿命の検討を行った。

その際、ハエを4グループに分け、1つ目のグループを健康食で3週間、2つ目のグループは高糖質食1週間と健康食2週間、3つ目のグループは高糖質食2週間と健康食1週間、4つ目のグループは高糖質食3週間で飼育し、その後、全てのグループに対し健康食で飼育し、寿命を測定した。

その結果、高糖質食を経験したハエは、たとえ健康食に戻したとしても平均で7%寿命が短くなることが明らかとなった。

FOXO遺伝子

その原因を探るため、研究チームは分子レベルでハエの分析を行ったところ、高糖質食により飼育されたハエではFOXOと呼ばれる遺伝子の発現が有意に減少していた。

このFOXO遺伝子というのは、寿命に関わる遺伝子と言われており、ハエだけでなく、酵母やミミズ、さらにはヒトにおいても見つかっている遺伝子である。

つまりは高糖質食を経験するとFOXO遺伝子の発現量が減少してしまい、それが長期間に渡って固定されてしまうことで、寿命が短くなるというわけである。

このように遺伝子の発現の変化が長期間に渡って維持されてしまい、影響を与えることは、健康が叫ばれている現代において、どのように健康を維持するかという問題に対して、重要な議論を投げかけることだろう。

これは結構衝撃的な研究結果ではないでしょうか。私自身、遺伝子の発現というのは、結構即時的に起こるものだと思っていました。ある刺激があると、それに対応した遺伝子が機能し、目的のタンパク質を作り出す。もしその刺激が無くなると、その状態は解除され、元の発現状態に戻ると思っていました。

しかし今回の結果はそうではなく、一度リプログラミングされてしまうと、長い期間その状態が固定されてしまうということです。しかし気になるのは、健康食から高糖質食に変わる際に遺伝子はリプログラミングされて、高糖質食にあった遺伝子発現に変わってしまうのですが、何故高糖質食から健康食に変わる際にはリプログラミングされないのかということでしょう。そこのところはこれからの解析に期待したいところですね。

さすがに人間で1日2日ちょっと食べ過ぎてしまったというくらいでは寿命への影響はほとんどないとは思われます。90日程度の寿命をハエの場合で3週間ということは、人間に単純に当てはめてみると、90歳まで生きる人が21年間不摂生をした後に健康に目覚めて、健康食に変えても遺伝子の発現レベルとしては不摂生な状態なままと言えるのかもしれません。そこまで簡単に比較してはいけないと思いますが、やはり年単位での不摂生で影響するのではないかなと勝手に考えています。

ただ人間とハエとは作りが違いますし、高糖質食による健康リスクも異なってくることでしょう。人間における同じような研究がそのうちになされることでしょうから、その結果を待っていたいなと思います。

元記事はこちら(High-sugar diets found to significantly reduce the lifespan of flies)

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