動物のジャンプから学んだ跳躍して移動できるロボットの開発!瓦礫が散乱した状況でも効率よく移動する?!

災害時の危険な状況において人命を救助するためのロボットは様々な考案されています。ただそのような状況において高いハードルとなっているのは、路面状況の悪さ。瓦礫がランダムに散乱していることから、地上を這って移動するロボットはなかなか前に進めない可能性が考えられます。そこで連続して跳躍することで、瓦礫が散乱した状況でも素早く移動できるロボットの開発が進められています。

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動物のジャンプからヒントを得た跳躍ロボット

カルフォルニア大学バークレー校の研究チームは、ジャンプして移動できるロボットの開発を行っており、これまでの記録を超えるロボットの開発に成功したと報告した。

彼らが開発しているロボットの名称はSaltoという。

これはfor SAltatorial Locomotion on Terrain Obstaclesの略であり、跳躍して障害物を移動できるためのロボットという意味である。

このロボットの構造の元となったのは、ガラゴと呼ばれる動物である。

ガラゴは4秒間の間に5回ジャンプすることができ、その合計の高さは8.5 mに達する。

そのメカニズムとしては腱に最初のジャンプにより得られたエネルギーを溜め込み、次のジャンプに利用することで、筋肉での跳躍だけでは達することのできない高さを実現する。

そしてその連続したエネルギー利用により、ガラゴは効率よく跳躍で遠くまで移動できる。

ロボットと動物の比較

研究チームは、ロボットと動物の跳躍の敏捷性を検討するため、新たな測定法を考案した。

この測定法では、地球の重力下において、一度のジャンプの高さとジャンプの頻度を掛け合わせたものである。

この数式により時間あたりどれくらいの高さ飛び、移動できるのか、つまりは俊敏性を比較できるようになった。

この測定法ではSaltoは1.75 m/秒となり、ウシガエルの1.71 m/秒より大きいため、俊敏に移動できることになる。

しかしながら、前述したガラゴは2.24 m/秒であり、まだまだガラゴの俊敏さには勝つことはできていない。

連続してジャンプする!

Saltoはガラゴの跳躍メカニズムを基にして作られたロボットであり、連続して跳躍して進むことを目的にデザインされている。

そのため、一度ジャンプした後でもバネの巻き上げ無しに、即座にジャンプすることができる。

このため、例えば一度ジャンプした後、壁を蹴って方向転換しつつ、高いジャンプをするといったことも可能である。

現状では、ガラゴの俊敏性の78%を達成しているが、これまでのロボットでは55%しか達成できていなかったため、跳躍ロボットとして大きく前進したと言えよう。

ジャンプだけで比較すると…

Saltoは重さ100 g、最大全長26 cmのロボットであり、一回のジャンプで約1 mほどジャンプすることができる。

壁を蹴ってジャンプすることで、さらに高さをかせぐことができ、その場合は約1.2 mの高さをジャンプすることができる。

他のロボットと単純に一度の跳躍で比較すると、TAUBと呼ばれるバッタを基にしたロボットだと最大3.2 mジャンプすることができ、Saltoのジャンプは高さという点では劣っているかもしれない。

だがSaltoは連続してジャンプすることで路面状況が悪くても、素早く移動できるといったメリットがある。

そのため災害現場のような瓦礫が散乱している状況において、人命救助に大きく貢献できると考えられる。

このロボットのアイデアはとても面白く、そして有用だと思います。やはり地を這って移動するロボットだと、路面状況が悪い場所では、移動速度もなかなか速く出来ませんし、障害物がある場合、前に進めないといった状況も生まれることでしょう。

連続してジャンプできるということは、動画にもあるように障害物を利用して、さらに高く飛べる可能性もありますし、方向転換を迅速に行うこともできます。それこそ通常の安定した路面状況よりも、むしろ災害現場のようなごちゃごちゃした状況を得意とするロボットとなることでしょう。

ただ現状では着地はまだ苦手なのか、動画の中では飛んだ後、人がキャッチしています。連続してジャンプすることの難しさは、空中や着地した時の姿勢制御にあるのかもしれません。この問題をどうやって解決するのか、今後の研究にも注目していきたいですね!

元記事はこちら(Wall-jumping robot is most vertically agile ever built)

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