いかに血液を装置に触れさせず、血栓のリスクを減らせるか考え、開発された新しい心臓補助ロボット!

身体の中に一つしかない心臓。血液を全身に送り出すことにより、酸素や栄養素を全身に行き渡らせる重要な役割を担っています。ですが残念ながら心臓疾患により、心臓が上手く動かなくなってしまった場合、心臓の拍動を助けるため、補助心臓をつける必要があります。これまでは血管を管につなぎ、体内循環から外し、ポンプで押し出していたのですが、それよりも身体に負担をかけない方法が開発されました。

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心臓を補助する装置

ハーバード大学とボストン小児病院の共同研究チームは、心臓の周りに取り付け、拍動を補助するカスタマイズ可能な柔らかいロボットを開発したと報告した。

現在、心臓疾患は世界中で4100万人の患者がいると言われている。

そのような患者の心臓の補助に使われる装置としては、ポンプを体内に埋め込み、心臓の代わりに拍動させる補助心臓が使われている。

このような心臓では、生体物質以外、つまり血管以外の物質に血液が触れることで、凝固し、塞栓を起こしてしまう可能性は否めない。

空気圧で心拍を作り出す!

この心臓補助ロボットは、薄く柔らかいシリコンに覆われた空気圧で動く管からできている。

またその管は体外の空気を送る動力装置に繋がれている。

今回の研究では空気圧で動く管を複数個、心臓の周りに取り付けることにより、心筋の動きを模した形で心拍を作り出すことに成功した。

これまで血液をポンプで送り出していたのとは違い、血液自体は体内循環から外に出されないため、血栓ができるリスクは抑えられるという。

また動力装置から送る空気の量は、患者の成長に合わせて簡単に増減することができる。

現在は動物実験の段階だが、この手法が一般化されれば、様々な心臓病の治療に利用することができ、心臓移植を待つ患者に新たな選択肢を与え、生活の質の改善に貢献することだろう。

これまでポンプを用いていたのは、心臓をそのまま用いて、正常な拍動を作り出すのが困難だったからでしょうか。また空気圧で動かす装置は研究装置では結構一般的だと思っていたのですが、もしかしたら最近発展してきた手法なのかもしれません。

何はともあれ、血液を体内循環から外に出さなくていいというのは、様々な点から有利であると考えられます。その一つが血栓の問題であり、血液が血管以外のものに触れると血液が凝固しやすくなり、血栓を引き起こす可能性があるということでしょう。

また心臓の位置とは違う場所から血液を送り出すことによる血管への影響や、ポンプが損傷を受けた場合の被害、つまり血液が体内に溢れ出てしまう恐れが無くなるということは利点なのではないでしょうか。もちろん空気チューブが破損してしまい、正しい血流が生み出せなくなる恐れはありますが、その場合では心臓マッサージが可能ではないかなと思います。

心臓疾患により心臓移植を待ち望んでいる人は世界中にたくさんいることでしょうが、そんな人たちのために新しい選択肢ができることは何より喜ばしいことでしょう。今後、迅速に開発が進み、この心臓補助ロボットにより快適な生活が送れる人が増えるように願っています。

元記事はこちら(Soft robot helps the heart beat. Sleeve attaches directly around the heart)

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