2型糖尿病はどうしてなるの?遺伝子の変異が引き起こすタンパク質の機能への影響とは?!

食べ物が豊かになった現在、食べ過ぎることにより起こる病気である2型糖尿病が世界中で大きな課題となっています。しかしながら同じような食生活をしていても、2型糖尿病になる人、ならない人が出てくるのは何故なのでしょうか?その理由として、遺伝子の変異とあるタンパク質の結合のしやすさが影響していることが示唆されました。

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2型糖尿病の原因遺伝子は?

ミシガン大学の研究チームは、2型糖尿病を引き起こす遺伝子に関して研究を進めている。

同じ生活をしていても、ある人は2型糖尿病になり、ある人はならないということはよくあることである。

長い間、研究者はこの謎を解明しようと研究を進めてきた。

その結果、2型糖尿病のリスクを上げるものや高血糖から身体を守るものなど、80以上もの小さな遺伝子の違いを見つけ出した。

しかしながら、これが2型糖尿病を引き起こすといった遺伝子に関しては未だ見つかっていない。

Regulatory Factor X:転写調節因子X

血糖値は膵臓の小島によりインシュリンやグルカゴンなどのホルモンが合成され、調整されている。

この調整が上手くいかない状況になると、糖尿病になるというわけだ。

研究チームは今回、単一の遺伝子により2型糖尿病が起こるのではなく、様々な遺伝子の欠陥が最終的に一つの同じ病気、つまりは2型糖尿病を引き起こす可能性があることを報告した。

その際、主要な役割を果たすのが、転写調節因子Xと呼ばれるタンパク質である。

このタンパク質は生命の設計図である遺伝子の特定の配列に結合し、その後のタンパク質の合成を調節しているタンパク質である。

膵臓の小島における糖尿病関連遺伝子が変異を受けることで、遺伝子への転写調節因子Xの結合のしやすさに影響を与え、2型糖尿病を引き起こす原因となるのだという。

実際の生体サンプルにおける仮説の実証

研究チームは実際に112人の人から膵臓の小島のサンプルを取得し、遺伝子配列、遺伝子の修飾状況、そして発現状況を検討した。

このような解析を行うことで、転写調節因子Xがどのように機能しているか明らかになる。

また転写調節因子Xは目的遺伝子に直接結合するわけではなく、タンパク質を合成する配列よりも前の配列に結合するのだが、2型糖尿病に関連する遺伝的変異が存在すると、この転写調節因子Xが結合する領域がなくなってしまい、結果として結合できなくなることが明らかとなった。

ただしこれは一つの例であり、それぞれの遺伝子の変異はそれぞれ異なった影響を与え、最終的に2型糖尿病への発症への寄与は異なったものとなる。

2型糖尿病は世界的にも大きな課題となっており、その発症機構が明らかになることにより、新たな薬剤ターゲットや治療法などの開発に繋がると期待される。

遺伝子が関連した病気というと、遺伝子のうちタンパク質を構成する部分に変異があり、そのためできたタンパク質が上手く機能しないことから病気になるというのが通常考えられる機構でしょう。

しかしながら2型糖尿病においては、これまで色々研究されてきたにも関わらず、これがあると2型糖尿病になるという遺伝子が見つからなかったことから、多くの研究者を悩ませてきたことでしょう。

そして最近でこそこのような遺伝子の発現量に注目した研究が行われるようになりましたが、一昔前ではなかなか発現量を知るというのは困難で最先端の研究でも謎が多い分野でした。

今後はこのような遺伝子発現により起こる病気が色々と見つかり、それにより新たな薬剤や治療法が開発されていくことでしょう。上手く研究と開発が連携を取り、多くの人を苦しみから救われるよう願うばかりです。

元記事はこちら(Diabetes in your DNA? Scientists zero in on the genetic signature of risk)

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