胃バンド手術は2型糖尿病を劇的に改善する?!最新の治療成績の報告とは?

食べ物が溢れている現在。肥満と糖尿病の関係性が明らかになり、いかにして糖尿病を治療するのかということは世界中の大きな課題となっています。胃にバンドをつける手術により、肥満による糖尿病である2型糖尿病を治療できるかもしれないという研究結果が報告されました。

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肥満と糖尿病

モナシュ大学の研究チームは、胃にバンドを付ける手術は中程度の2型糖尿病患者において有益であるという研究結果を報告した。

糖尿病は現在、世界中で増加傾向にあり、オーストラリアでは170万人が糖尿病を患っていると言われている。

そしてそのうち約90%は肥満や過体重によるものだと推測されている。

胃バンド手術による治療の効果は?

今回、研究チームは5年間の調査により、胃にバンドをつける手術をすることで、糖尿病が寛解したり、投薬を減らしたりでき、患者の生活の質(QOL)が向上することを明らかとした。

研究においては、45人の被験者に協力してもらい、そのうち22人は胃にバンドを付け、糖尿病の治療を受けてもらい、残りの23人は糖尿病の治療のみを行なった。

双方のグループにおいて、運動や健康的な食事など生活スタイルの改善も行なっている。

その結果、胃にバンドをつける手術をしたグループでは、12.2%の被験者が体重の減少に成功したに対し、糖尿病の治療のみを行なったグループでは、体重が減少したのは1.8%に止まった。

そして胃にバンドをつける手術をしたグループでは約4分の1の人が、5年後の時点で糖尿病が寛解したのに対し、治療のみのグループでは9%であった。

治療の費用

オーストラリアにおいて、胃にバンドをつける手術の費用としては、手術とその後の治療を含め、平均AUD$13,910(約120万円)であり、投薬治療ではAUD$4,257(約36万円)である。

だが長期的視点でみれば、治療において生活の質が格段に向上することから、その費用対効果は十分にあると考えられる。

また今回の研究では、手術を受けるための最小のBMIも示唆されており、現在の治療ガイドラインでは35以上となっているが、25-30が最低ラインと大幅に引き下げることができ、より多くの人に治療効果があると考えられる。

この手術がどれくらい大変なものか分かりませんが、調べてみると内視鏡でできることから身体的な負担は開腹手術と比べ、かなり軽減されているかと思います。費用的には記事にあったオーストラリアでの費用と大幅には変わらず、135万円程度のようです。ただし病的な肥満でない場合、つまり通常考えられる2型糖尿病や肥満の患者においては保険適用ではないので、そのまま135万円全額(入院費を入れたら、さらに多く?)を支払う必要があるようです。

ただ長期的に見れば、その後の投薬が減らせたり、完治する人も多いわけで、もしかしたら人生における総額の治療費としては安くなるかもしれません。もしこのような手術においてさらに治療成績が向上し、ほとんどの人が糖尿病を完治できる、または大幅に投薬が減らせるとなれば、保険適用としても投薬するよりも国の医療費の削減にもつながるかもしれません。

2型糖尿病は肥満によるものであり、自己責任の範疇であるという考え方もあるかもしれませんが、治療をしないと命に関わる病気です。いかに患者にとって生活の質を低下させないか、そして国にとって財政を圧迫しないか、そのバランスをとって治療法が開発されることを願っています。

元記事はこちら(Gastric band surgery significantly reduces health risks in overweight people with diabetes: study finds)

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