脳のドーパミンをより高精度に、より長時間測定できるデバイスの開発!

人体の謎の中でも大きなものとして脳の機能があります。身体の制御から、記憶、感情まで行っている脳の働きは複雑であり、解析どころか、測定も困難であるのが現状です。そんな脳の機能を解明するため、神経伝達物質の動きを正確に、そして長期間測定するためのデバイスの開発が行われています。

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ドーパミン

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、脳のドーパミンをこれまでよりも精度よく測定できるデバイスを開発した。

ドーパミンは脳に存在する数ある神経伝達物質の一つであり、運動やホルモンの調節、感情、学習、記憶などに関与している物質である。

脳では、神経細胞がこのドーパミンを始めとする神経伝達物質をやり取りすることにより、様々な機能を発揮しているのだが、そのやり取りを測定することは困難である。

神経伝達物質の中でもドーパミンは、脳の疾患と関与していることが知られており、特にドーパミンが制御できなくなる病気としてパーキンソン病が挙げられる。

ドーパミン測定デバイス

これまでの脳のドーパミンの測定においては直径100マイクロメートルのデバイスを用いていた。

しかしながら、ドーパミンがセンサ表面を覆ってしまい、デバイスが機能しなくなることから、そのデバイスの寿命は1日しかなかった。

またその精度にも問題があり、埋め込んだ場所周辺において、50%の確率でしか測定できていなかった。

今回、研究チームが開発したデバイスは10マイクロメートルとこれまでの10分の1であり、その中に8つの電極が備えられている。

そしてその電極をポリエチレングリコールと呼ばれるポリマーで覆うことにより、電極を守り、また脳細胞に密着するようにデザインされている。

測定機構

測定機構はこれまでの100マイクロメートルのデバイスと同じく、電気により行う。

8つの電極に電圧を変動させる。

そしてある電圧の時に、ドーパミンが接触すると電気化学的反応が起こり、その反応により生まれた電流が観測されるのだ。

この手法によると、ミリ秒のドーパミンの変動を測定できるという。

ドーパミンは学習、記憶、そして感情などに関わっており、ドーパミンの量を測定できることは研究者に新しい知見を与えるものになる。

またパーキンソン病など脳の疾患に対し、新しい治療法を編み出すツールにもなるかもしれない。

脳に何かを埋め込むというのは、ほとんどの人が嫌なのではないでしょうか。しかしもし脳に小さなデバイス、それこそ手術を必要とせず、注射程度で埋め込むことができるデバイスならどうでしょうか?それくらいならやってもいいかなという人が増えるかもしれません。

そしてさらにそのデバイスが、他の電子機器を制御できる、つまり考えただけで照明をつけられるようになったり、コンピュータに文章を打てたりするようになったらどうでしょう。今ではそれこそ魔法やSFで語られるようなことができるようになったら、多くの人がやってみたいと思うのではないでしょうか。

今回の研究記事を読んでいて、脳の神経伝達物質を測定でき、さらに電気信号として発信できるようになれば、達成できるのではないかなと思いました。現状ではまだまだそこまでの精度や耐久性はないようですが、このように基礎科学を研究して行ったら、世界を一変させるような技術にたどり着く可能性がある研究はたくさん存在することでしょう。現在の基礎科学がどのように実用化されるか楽しみになるような記事だと思いませんか?

元記事はこちら(Precise technique tracks dopamine in the brain. New sensor could reveal the neurotransmitter’s role in learning and habit formation.)

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