がんのある、なしだけでなく、”どこに”がんがいるのか特定する!新しい血液検査が早期発見、早期治療に大きく貢献?!

がんの治療において重要なのは早期発見。1年に一回、人間ドックで胃カメラや血液検査など様々な検査を受けている方もいることでしょう。しかし血液検査の問題点は、がんがあるということは分かるのですが、現在の技術ではどこにあるのかまでは特定できません。今回、新しい血液検査法により、どこにあるのかまで特定できる可能性があると報告されました。

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がんの早期発見に向けて!

カルフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、新しいがん検出方法を開発したと報告した。

彼らの検出方法を用いれば、生検のように手術により細胞を採取しなくても、血液検査で、早期のがんがどこにあるのかということまでわかると言う。

一体なぜ、がんのそのような情報が血液から得られるのだろうか?

がんがある?!でもどこにある?

通常、がん検出のための血液検査では実は血液に含まれるDNAを検出している。

しかし検出するのは、血液細胞のDNAではない。

もしがんが増殖をしている場合、その増殖の途中で、いくつかのがんは死に、DNAを血液中に放出する。

がん検出のための血液検査では、そのがん細胞より放出されたDNAを検出するのだ。

しかしながら、これまでの血液検査ではがんがあるとは分かっても、がんがどこにできているのかという情報までは得られない。

もちろんどこにがんができているか分かれば、早期発見だけではなく、早期治療につながり、生存率は向上することだろう。

もう一つの測定対象を増やすと、場所まで分かるように?!

今回、研究チームはがんの早期発見だけでなく、がんがどこにあるかということまで分かる検出方法を開発した。

それはこれまでのように血液検査であり、DNAを検出するのだが、もう一つ測定対象を増やしている。

これまでの検査では、がん細胞が増殖する際、死んでしまう細胞があるため、DNAが放出されることを説明した。

だが同時に健康な細胞を押しやり、栄養を奪い、殺してしまう。

つまりがん患者の血液中にはがん細胞のDNAだけでなく、健康な細胞からのDNAも含まれるというわけだ。

その両方を測定することにより、がん細胞がどこにあるのかということまで分かるようになった。

偶然の産物?

実はこのがん検査方法にたどり着いたのは、全くの偶然だっと言う。

もともとはこれまでのようにがん細胞のDNAを検出し、がんがどこにあるのかを研究しようとしていた。

しかし検討していたDNAの中には、健康な細胞からの遺伝子も含まれていることが判明し、両方を検出したら、どこにがんがあるか調べることができると思いついたのだ。

DNAのメチル化

もう少し詳しくこの検出法を説明すると、彼らは10種類の異なる臓器からDNAを抽出し、そのDNAのメチル化のパターンをデータベースに登録した。

今回、データベースに登録した臓器としては、肝臓、腸、結腸、肺、脳、腎臓、膵臓、脾臓、胃、そして血液である。

DNAのメチル化とは、アデニン、シトシン、チミン、グアニンの4つのDNAのうち、シトシンとアデニンにメチル基と呼ばれる化学物質が結合し、遺伝子のコントロールをすることである。

特にシトシン、グアニンと並んでいる場合のシトシンはメチル化されやすく、60〜90%はメチル化されているという。

そしてがん細胞におけるDNAはこのメチル化が正常な細胞とは異なっており、異常に多い、または異常に少なくなる傾向にある。

実際にがん患者からの血液サンプル、そしてがん細胞のサンプルを分析し、DNAのメチル化のパターンを比較した。

その結果、統計学的に有為な差として、がん細胞の場所を特定できたという。

今回の研究ではまだ仮説の実証段階であり、実用化するにはさらに検討が必要だが、今後がんの専門医と協力しつつ、改良を目指す予定だとしている。

今回の研究では、10種類の臓器由来のDNAとがん患者の血液に含まれるDNAを比較することで、がんがある、ないだけでなく、どこにあるのかという場所の特定ができるとのことでした。確かに切除するにしても、放射線治療をするにしても、どこにあるという情報は非常に重要な情報になります。それが簡単な血液検査で分かるとなると、患者の負担もそして医師の負担も大幅に軽くなるのではないでしょうか。

近年では遺伝子解析技術は大きく発達し、ヒトの全遺伝子でも1日のうちに読むことができるようになりました。価格としても100万円程度まで下がっていると言われています。このように価格が下がれば、使う人や機会が増え、さらに価格を下げることができる。つまり遺伝子解析技術は開発と需要が伸びつつあるいいスパイラルに入っていると言えるでしょう。

ただそれが良いとばかりも言えないニュースがあります。アメリカでは、会社が従業員に遺伝子検査の結果を提出することを可能にする法案が議論されているとのことです。

遺伝子検査の存在が身近になり、現在では2万9800円で150種類の病気の発症リスクと130種類の体質を調べるキットなども登場しています。そんな中、会社が授業員に遺伝子検査を受けさせ、検査結果の提

遺伝子から分かることは多く、身体的特徴、先祖の由来、そして病気の履歴や予想など、プライバシーの塊なわけです。医師のように守秘義務があり、健康管理をするために提出するのは良いでしょうが、会社に出すとなると話が違ってくることでしょう。

また現在、市場に出ている個人がサービスを受けられる遺伝子検査は信頼がおけるものなのかという疑問が度々ニュースになっていることから、今後このような検査キットへの法整備も進むことでしょう。

取り合えず、遺伝子と言うのは、これまで以上に一般化し、専門家以外にも広く受け入れられる日がかなり早い時点でくると予想されます。その日のために、今から遺伝子から何が分かるのか、どういった手法があるのかと調べておくのは、いいかもしれませんね。

元記事はこちら(New Blood Test Could Help Detect and Locate Cancer Early On)

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