睡眠時無呼吸症候群が薬で改善?!治療にCPAPが要らなくなる日がくるかもしれない?!

睡眠時に呼吸が止まっている!なんて指摘されたことがる人はいませんか?それは睡眠時無呼吸症候群といって、身体に大きな負担をかけ、高血圧や心臓病などの病気につながる危ない状態です。現在では寝ている間中、空気を送り出すマスクをつけることで呼吸が止まるのを防ぐしか治療法がありませんが、それを薬でなんとかしようという研究が進められています。

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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時に呼吸が止まってしまい、激しいいびきや頭痛、日中の集中力の低下や眠気などを引き起こす睡眠時無呼吸症候群。

眠りが妨げられ、疲れが取れないというばかりでなく、放置しておくと、高血圧や不整脈、心臓病、脳血管障害など重大な病気につながることも明らかになっている。

人口の5%程度が睡眠時無呼吸症候群であると言われているが、本人が気づいていない潜在的な患者はさらに多く存在すると考えられる。

現状では睡眠時無呼吸症候群を改善する薬はなく、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)と呼ばれる鼻にマスクをつけ、空気を強制的に送ることで、睡眠時の呼吸を助ける装置をつけることが唯一の治療法となっている。

ヨヒンビン

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、マウスを用いた実験により、ヨヒンビンと呼ばれるサプリメントを毎日摂取することで睡眠時無呼吸症候群の治療が行えることを報告した。

ヨヒンビンとは中央アフリカにあるヨヒンベと呼ばれる植物から見つかった化合物である。

ヨヒンビンは勃起不全治療薬として研究されてきたが効果は不十分であり、また近年では脂肪を燃焼させるのを目的にボディビルダーが使用することもあるという。

しかしながら、日本では劇薬にしていされており、またアメリカにおいても食品医薬品局に許可されている化合物ではない。

舌の落ち込みを抑える薬?

これまでにも睡眠時無呼吸症候群の治療薬を探す研究は、CPAPによる治療よりも患者に負担が少ないことから行われてきた。

そしてそのターゲットとなっていたのは、舌下神経である。

睡眠時無呼吸症候群の一つの原因として、睡眠時に舌が喉の奥に落ち込み、気道をふさいでしまうことから、薬により落ち込みを防ごうというのである。

しかしながら、そのように舌の落ち込みを防ぐ様な薬は現在においても見つかっていない。

そこで研究チームはターゲットを変え、脳幹にある橋(きょう)と呼ばれる部分に作用する薬剤により、舌下神経を刺激し、舌の落ち込みを制御しようと考えた。

A5、A7

橋のなかでもA5とA7と呼ばれる領域が舌下神経の制御に重要であることは判明している。

この二つの領域は睡眠時に、そして特にREM睡眠時に活動が落ちることが知られている。

その時に睡眠時無呼吸症候群が起こるのである。

つまりA5とA7の領域を睡眠時でも活動している状態に保てれば、睡眠時無呼吸症候群が起こらないと考えられる。

逆のことを試してみた?

しかし研究チームが試したのは、全く逆のことで、マウスにヨヒンビンを投与したのだ。

ヨヒンビンはノルアドレナリン受容体の阻害剤であり、ノルアドレナリンは体を活動的にするホルモンである。

寝ていることで身体は休息状態にあり、さらにこの受容体をブロックしたところで、通常は死に馬に鞭を打つ様に無駄なことだと考えられる。

研究チームもとりあえず何が起こるか見てみようということでこの薬剤を試してみたのだが、舌下神経を活発にさせ、マウスの睡眠時無呼吸症候群を治療することができたのだ。

まだそのメカニズムは分かっていないことも多いが、睡眠時無呼吸症候群が薬で改善するとなると、これまでCPAPにより負担が大きかった患者にとっても快適な睡眠を提供できる様になると期待される。

ヨヒンビンは記事にも書いた様に、日本では劇薬指定されており、薬剤師の対面による指導の元でしか購入することができません。また現在販売されている目的としては、滋養強壮薬であり、もちろん今回のように睡眠時無呼吸症候群のための治療薬として販売されているわけではありません。

しかし面白いのは、身体を活性化させるノルアドレナリンの受容体を睡眠時にブロックするという、いわばマイナスにマイナスを掛けるとプラスになるという作用をみつけたことではないでしょうか。意外とこういった好奇心で行なった実験がうまくいくというのはあり得ることで、研究者にとって色々と、自分の予想外のことをするというのは重要なことだなぁと再認識しました。

睡眠時無呼吸症候群は、特に一人暮らしの人では気づきにくいもので注意が必要な疾患です。もし朝スッキリ起きられない人は、是非一度自分の睡眠時の音を録音して、確認されることをオススメします。

元記事はこちら

Dietary supplement derived from tree bark shows promise for treating the disorder.

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