子宮内避妊システムは乳がんの発症率を増加させる?乳がんのリスク要因の調査結果

女性にとって大きな健康リスクである乳がん。日本では生涯に乳がんを患う人は12人に1人と言われており、また無くなる方は年間1万3000人を超えていると報告されています。では一体その乳がんのリスクを高めるものは何なのか、フィンランドで調査が行われました。

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ホルモン子宮内避妊システム

ヘルシンキ大学の研究チームは、ホルモン子宮内避妊システムとヘアカラー剤の使用は乳がんの発症率を高めるという研究結果を報告した。

避妊においてはコンドームが安価に、そして手軽に避妊できることから広く使われているが、それ以外にも存在する。

例えば生殖機能を不能にしてしまう避妊手術、女性が毎日体温を測ることにより排卵の周期を知る基礎体温法、薬剤により排卵を抑制する低容量経口避妊薬、そして子宮内に器具を入れ、避妊する子宮内避妊システムである。

子宮内避妊システムには、銅付加タイプとホルモンタイプが存在する。

どちらもT字型のプラスチックからできているデバイスであり、子宮内にこのデバイスを留置して用いる。

作用機序としては子宮内に異物が存在することにより、異物への反応の一部として、子宮内膜から白血球とプロスタグラジンが放出されるというものだ。

そしてこの白血球とプロスタグラジンは精子と受精卵にとって有害なため、妊娠を抑制する。

銅付加タイプはT字型のプラスチックに銅が巻きつけてあり、精子を殺す効果を高めるとともに、受精卵の着床を妨げる。

ホルモンタイプはレボノルゲストレルという黄体ホルモンが持続的に排出されるようになっており、この黄体ホルモンが排卵を抑制することから、妊娠効果を高めることができる。

乳がんのリスクを高めるもの

研究チームは、フィンランドに住む8,000人の乳がん患者と20,000人の健康な人に調査を行なった。

その結果、ホルモン子宮内避妊システムは銅付加タイプの子宮内妊娠システムと比べ、閉経後の女性において、52%も乳がんのリスクが高まることが明らかとなった。

また50歳以下の年代において、経口避妊薬を用いている人は、使っていない人と比べ、乳がんのリスクが32%高まることも判明した。

それだけではなく、ヘアカラー剤も乳がんのリスクを高め、使用していない人と比べ、使用している人では乳がんのリスクが23%高くなることも報告している。

研究チームは、この結果の確証を得るために、さらなる研究が必要であると述べている。

ちなみに他の乳がんのリスク要因としては、加齢が乳がんのリスク要因の中でも最大のものであり、高齢での初出産、出産人数の少なさ、アルコールの摂取量の多いことなどのライフスタイルにより乳がんのリスクが高まることもこれまでの研究により報告されている。

収入やライフスタイルにより子供を産まないという選択肢は十分に考えられ、そのため避妊を行なっている人も少なくありません。そのため避妊法の選択により、乳がんのリスクが高まるというのは、好ましくありません。

乳がんのリスク要因には加齢が挙げられていますが、他のがんとその発症の年齢曲線は異なっています。乳がんの発症は30代から増加し始め、40代後半から50代前半にピークとなり、その後減少します。他のがんでは50代から発症数は伸び続けることから、乳がんは比較的若い世代に発症する傾向にあるのです。

しかし乳がんは早期発見できれば、治療率が高いがんであり、ピンクリボン運動などで検診の受診が呼びかけられています。いかに乳がんのリスク要因を避け、検診を定期的に受けるかが乳がんからあなたの身を守ることになることでしょう。是非とも一度、家族計画と自分の健康について考えていただいたいなと思います。

元記事はこちら

Age is the most important risk factor of breast cancer but current study suggests that the use of hormonal intrauterine device increases the breast cancer risk ...

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