ムーアの法則を超えろ?!次世代コンピュータのシステムの基盤は脳にあり?!

デスクトップコンピュータに、ノートパソコン、スマートフォン、そしてスマートウォッチ。年々コンピュータは小さく、そして速くなってきています。その性能は「ムーアの法則」という法則により予言され、実際その法則に従うようにコンピュータは速くなってきました。しかしそれももう限界に近づいてきています。さらなる速度を手にするには新たなシステムが必要となる時代がやってきました。

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ムーアの法則

アメリカの半導体メーカー「インテル」の創始者であるゴードン・ムーアが1965年に発表した論文で語られたムーアの法則。

半導体の集積率が18ヶ月で2倍になるという法則だ。

これは例えば、コンピュータの演算処理回路であるCPUを同じサイズにした場合、乗せられる半導体の数が18ヶ月で2倍になるということだ。

つまりCPUの性能は、18ヶ月で2倍になるか、同じ性能であればコストが半分になるということを示している。

この法則は論文が発表された1965年からつい最近まで保たれていたのだが、作製できる半導体のサイズが小さくなり、それこそ原子レベルになりつつある今、この法則が崩れつつある。

新しいコンピュータは人間の脳のよう?

半導体が物理的に上限を迎えつつある今、それでもコンピュータの需要は増大し、より速く、より効率的なコンピュータが求められている。

ではどうやってその需要を満たすのか?

その答えはシステムにあると考えるのが、スタンフォード大学の研究チームだ。

彼らはコンピュータのシステムを脳のようなシステムにすることで、より効率よく、そしてより速くすることを研究している。

では何故脳のようなコンピュータにするのか?

脳は複雑なネットワークを形成していながらも、現在のコンピュータでは簡単には計算できないほど高速に、そして効率よく情報を処理している。

2013年に報告された例では、日本が誇るスーパーコンピュータを用い、脳の活動をシミュレーションしたところ、脳の活動1秒をシミュレートするのに、40分かかったという。

世界で4番目に速いスーパーコンピュータである「京」を使い、実際の人の脳1%分に相当する10兆4000億個のシナプスで結合された神経回路のシミュレーションに成功しました。これは小型霊長類であるサル

もしこの脳の活動を実際のコンピュータに適応できれば、一気にコンピュータが進化することも考えられるのだ。

脳はどのようにして情報を処理しているのか?

実は脳とコンピュータには情報を処理する方法に大きな違いが見られる。

コンピュータは電子信号があるかないか、つまり1か0かの信号により情報を処理している。

これはデジタルと言われている方法である。

脳も脳細胞間(ニューロン間)では、コンピュータと同じく電気信号があるかないかで情報を処理しており、これはデジタル方式と言えよう。

だがさらに複数のニューロンから一つのニューロンへ電気シグナルが送られることもあり、それが一度一定量に達すると新たなシグナルを生み出すといういわばアナログ的なシステムも兼ね備えている。

研究チームはこの仕組みをコンピュータの半導体に適応し、デジタル/アナログを混在したコンピュータを作製したところ、よりエネルキー効率が良く、データ欠損に強いコンピュータを作り出すことに成功した。

未来はすぐそこに!

脳のようなコンピュータを達成するには、まだまだ超えなければいけない壁は存在する。

それは現在のコンピュータでは直列、または並列的に処理されている電気シグナルを脳のようにネットワークで分散させて処理するシステムだったり、機能を補うような堅牢性などがあり、彼らはそのような超えるべき目標を5つ設定している。

しかし彼らによると、その目標が達成できるのはそれほど遠い未来の話ではないという。

彼らは今後2、3年のうちにそのようなコンピュータを組み上げ、実証したいと考えている。

もちろん商業的に利用できるのはまだまだ先になるのだが、彼らのシステムが私たちが使うコンピュータに乗せられるのもそう遠い未来ではないと考えられる。

誰でもコンピュータが使えるようになった現代。多くの人はオフィスソフトやインターネット、そしてソーシャルメディアネットワークなどを利用し、その処理速度には満足できるレベルになっていると感じている方も多いことでしょう。15年前くらいには起動するのも数分待ち、10年くらい前にはソフトがすぐに停止していたのに比べれば、現在のコンピュータはすぐに起動し、ほとんど停止することがなくなり、かなりストレスが軽減されているかと思います。

それを反映するかのごとく、性能を抑え、オフィスソフトやインターネットに特化したコンピュータも販売されるようになり、もうコンピュータ社会は成熟したかに見えます。そして役目が終わったかのごとく、CPUの開発はムーアの法則から遅れを取るようになってきています。

しかし開発者はより速く、より効率的なコンピュータを欲しています。その一つの理由に人工知能があることでしょう。大量のデータを学び、解析し、より最適な答えを出すためには、より速く、より効率的なコンピュータが必要なのです。そして人工知能は現在では研究室のスーパーコンピュータや企業の大規模サーバーなどで使われていますが、将来的にはより個人個人に合わせた形で、つまり個人のコンピュータに乗ることが考えられます。

つまり次世代のコンピュータにはより高速な、より効率的なコンピュータが必須なのです。もしそのようなコンピュータが開発されれば、コンピュータが家庭に入ってきた時同様、大きな社会の変化が起こることでしょう。そしてそれは意外と遠い未来の話ではなく、数年後に起こるかもしれないということを示しているのが今回の研究なのです。さてはて次世代のコンピュータが家庭に入ってくるのはいつになるのか、そしてその時どういった社会になるのか楽しみにしていたいと思います。

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