二枚貝の生息地域を解析することにより、未発見の生物種の数を推定する方法!

これまでに発見された生物の数は膨大なものですが、未だ見つかっていない生物の数はさらに膨大なものだと考えられています。しかしながら近年、人間の活動により地球温暖化や環境汚染が引き起こされ、多くの種が絶滅している現状があります。我々が知っている生物だけではなく、まだ知らない生物をも保全することが本当の意味での生物多用性の保全ではないでしょうか。

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特定の地域の未発見の生物種の数を推定

シカゴ大学の研究チームは、ある特定の領域に生息するまだ発見されてない生物種の数を推定する方法を開発したと報告した。

これまでにも地球上に生息する全生物の数やまだ見つかっていない生物の数を推定する試みは多数なされてきた。

だが今回研究チームが開発した手法は、”地球上すべての”ではなくある特定の地域の未発見の生物の数を推定するということを特徴としている。

発見された種の数、発見されていない種の数

これまでの研究により、地球上で発見された生物(絶滅種を含む)は160万種類に及ぶ。

そして未発見の生物種においては、その10倍から100倍以上の種類があると推測されている。

その種類や数は地域によって特性があり、その地域特性の生態系を作り出している。

そのため、生物多様性を語ったり、保存活動を行ったりすることにおいて、その地域の発見・未発見に関わらず、その地域の生物の種類や数を推定することは方針決定やそのための情報として重要な役割を担っていると考えられる。

二枚貝が語る未発見の生物種の数

今回研究チームは、二枚貝の生息データから、その地域の未発見の生物種の数を推定する方法を考案した。

何故二枚貝かと疑問に思うかもしれないが、二枚貝は世界中に広く分散し生息しており、何百年も研究されており、データも豊富なのである。

そこで彼らは1758年に分類学の父と呼ばれているリンネが書いたSystema Naturaeに記載されている220種の二枚貝から研究をスタートさせた。

そしてその後、Jablonskiの二枚貝データベースにある5,744種と、彼らが発見した62,000の記録を用い、解析を行った。

そして解析の結果、そして地球を二枚貝の生息地域に基づき18の地域に分割することで、その地にどれくらいの未発見の生物が存在するのか推定できるようになったという。

これまで生物多様性を保全することが叫ばれてきたのだが、このようにまだ見つかっていない生物においても考えることが、本当の意味の生物多様性を考えるということではないだろうか。

人間は地球上のありとあらゆるところを探検し数多くの生物を発見してきましたが、まさかその10倍から100倍もの生物種がまだ見つかっていないというのは驚きですね。そしてさらに驚きなのが、その未発見の生物種の数を推定するのに二枚貝が適しているということです。

今回の研究ではデータが豊富にあるということから、二枚貝が選択されているようですが、本来ならば、これまでの研究では他の生物まで考えて二枚貝の研究を行っていたわけではないでしょう。こういった使われ方をするのは、二枚貝の研究をしていた人にとっても驚きなのではないでしょうか。

一見関係なさそうな研究が繋がることで新しい研究が生まれるのは、研究者にとってものすごくワクワクすることでしょう。今後もこのような面白い研究の方向性が生まれてくることを願いつつ、その新しい研究をフォローできるようSIGを続けていきたいなと思います。

元記事はこちら

Many scientists have developed models to predict the total number of species on Earthincluding those not yet discoveredof an animal or plant group, but Univer...

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