新薬開発に新たな手法!ヒトの細胞を使った評価用デバイス

新薬開発にはたくさんの試験があります。効果もそうですが、ヒトへの安全性は特に重要。ヒトの細胞を使うことで、必要な投薬量を検討できるデバイスの開発が進んでいます。

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薬になるか?毒になるか?

医療において、投薬というのはとても重要である。

どんな薬でも、多過ぎれば毒になってしまうし、少なすぎれば効果は得られない。

患者によっても、どれくらいの量を投薬すればいいのかは、医師の経験に依存してしまう。

そして現在の投薬量は、薬の安全性試験で定められた小動物の試験によって定められている。

小動物での安全性試験はヒトへの投薬試験に比べ、早く結果が出る反面、ヒトへの投薬量を推測するのはなかなか困難である。

投薬量を検討するためのデバイス

ミシガン大学の研究チームは、投薬量を検討するための小さなチップ状のデバイスを開発している。

このデバイスは、二つのマイクロ流路をもち、その間には薄い透過性のポリエステルの膜で遮られている。

そのポリエステルの膜で囲った領域に、腎臓の細胞を培養している。

このデバイスを用い、薬を流し、腎臓の細胞にどれくらいの損傷が起こるかを検討するのだ。

同じ投薬量でも異なる影響

実験では、ゲンタマイシンという抗生物質を用い検討を行った。

投薬の仕方は、1日の投薬量を一度に流すか、長時間に渡って持続的に流すかの二種類で行った。

その結果、同じ投薬量でも、一度に流す方が腎臓の細胞への負担は少なかった。

このようにヒトの細胞を用いることで、実際のヒトに対する毒性評価に用いることができるのだ。

様々な細胞への応用

研究チームの目標は投薬による身体への影響をリアルタイムで正確に検討できるシステムの開発だ。

現在は腎臓の細胞だけだが、この手法は他の臓器の細胞、例えば心臓や肝臓の細胞に置き換えることで、薬剤の効果がどのように異なるかといった詳細なデータを得ることもできる。

そのような情報により今後、ヒトへの投薬量を正確に把握・調整するための助けになり、製薬会社の新薬開発を加速させることだろう。

近年では、新薬開発など研究で使われる動物の命を重視し、3Rという理念が提唱されています。

3Rというのは、Replacement(代替)、Reduction(削減)、Refinement(改善)の3つのことを言い、本当に動物実験でしかできないのか?(代替)、使用する動物数を減らせないか?(削減)、苦痛を軽減したり、飼育環境は適切なのか?(改善)ということを実験前にしっかりと示すようになってきています。

今回のようなデバイスが研究の主流になり、私たちの命を守るために落とす命が少なくなることを願っています。

元記事はこちら(‘Kidney on a chip’ could lead to safer drug dosing

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