どんな作物にいつ、どれくらい肥料を与えたらいいか?土壌中の肥料の動向をシミュレートすることで明らかに!

家庭で野菜を育てている人も多いでしょうが、肥料はちゃんと与えていますか?必要な時に必要なだけ与える。それが野菜にも、地球にも、そしてお財布にも優しい方法です。

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NPK:窒素、リン酸、カリウム

現在の農業で肥料は欠かせないものとなっている。

肥料には植物を元気に育て、果実や種子の量を多く、そして大きくする作用がある。

肥料には様々な成分が含まれるが、その中で特に重要なのが、窒素、リン酸、カリウムである。

それぞれの英語の頭文字をとってNPK(窒素:Nitrogen、リン酸:Phosphate、カリウム:Kalium)と略されることもある。

窒素は主に植物を大きく生長させるために必要で、特に葉を大きくさせる。

リン酸は花や実に作用し、開花や結実を促進したり、大きくする。

カリウムは根の生長に影響し、根を丈夫にする。

だが、大量に肥料を施せばよいという問題ではない。

肥料を与えすぎることにより、生長だけが早くなり、気候や病害虫に弱くなってしまうこともある。

だがそれよりも問題なのが、与えすぎた肥料が植物に吸収されず、土に染み込み広がり、川や湖、海、地下水などを汚染してしまうことだ。

環境問題にまで発展してしまう肥料のやりすぎは、現在世界的な問題にもなっている。

窒素の年齢?!

イリノイ大学の研究チームは、植物が必要とする分だけの肥料を与え、環境汚染を防ぐために、土壌中にどれくらい無機窒素源が残留するか数学的モデルの開発を行っている。

モデルケースとして、アメリカ中西部で行われるとうもろこし-とうもろこし-大豆というローテションでモデルを検討した。

硝酸塩やアンモニアを肥料で与えたり、微生物が生産した時を0歳とし、そこから湿度や温度、そして微生物の増殖などの影響で土壌中で窒素源が変化し、土壌中に広がっていく時間を年齢に当てはめ、計算を行った。

その計算モデルが明らかにした結果には、二つの驚きがあった。

それはとうもろこしと大豆を育てた際の窒素源の平均年齢を比較した時と、表土と土壌深部における窒素源の平均年齢を比較した時に起こった。

1つ目の驚き〜作物の違い〜

まずとうもろこしと大豆を育てたモデルでは、窒素の平均年齢は大豆の方が低かったことだ。

初期のモデルではとうもろこしを育てた際にのみ窒素肥料を与えており、大豆を育てる際には肥料は与えていなかった。

またモデル中で大豆に肥料を与えても、窒素の平均年齢は低いまま存在していた。

これは大豆は古くなった窒素源を優先的に消費していることを示している。

2つ目の驚き〜土壌中の窒素の分布〜

2つ目は土壌中における窒素の分布におけるものである。

研究チームは最初、窒素源は水に沿って広がり、新しいものは上層に、そして古いものは土壌中にどんどん染み込んでいくものだと考えていた。

だが表土では平均年齢は比較的高くなっていた。

これは肥料に含まれるアンモニアに起因するものである。

アンモニアは正の電荷を帯びており、土壌の粒子に吸着しやすく、土壌中に染み込みにくいのだ。

この計算モデルの利用の将来

前に述べたように、肥料のやりすぎは植物にとっても、地球環境にとっても良いことではない。

もしこの計算モデルにより、土壌中の肥料の動向が明らかになれば、例えば今まで田畑全体に一括で与えていた肥料を、必要な時に必要な区画だけに肥料を使用することで、その量を抑えることもできる。

そうすれば植物、地球環境に優しいのはもちろん、経済的にも、また効率的にも利点があると言えよう。

人間の生産活動により環境を汚染している一つの例が肥料ですが、現在、環境を汚染しないよう肥料を与えようと様々な工夫がされています。土壌中の肥料の動向などはなかなか検討が難しいものの一つですが、数学的なシミュレーションを用いることで可能になるというのは面白いなと思います。自然環境をシミュレートするのは不確定要素が多く、難しいかと思いますが、スーパーコンピュータもまた家庭用のコンピュータも性能が飛躍的に向上することで、今までできなかったシミュレーションができるようになってきています。今度は何をシミュレートする人が出てくるのか楽しみですね!

元記事はこちら(Measure of age in soil nitrogen could help precision agriculture)

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