マジシャンがどうやって人の認識を混乱させ、衝撃的なマジックを成功させるのか?〜手品と心理学の関係〜

騙されないぞ!と思っても、マジシャンの世界に引き込まれてしまう手品。一体何がそうさせているのか?種明かしでもなく、ネタばらしでもなく、なぜ起こるのか原理を明らかにするのは心理学者の仕事です。

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手品と心理学

みなさんも一度は手品をご覧になったことがあるだろう。

人間の錯覚や思い込みを利用し、あたかも魔法のごとく実現不可能なことをやってのける手品。

カードやコイン、ハンカチを用いたりする小さなものから、ステージの上で大規模な仕掛けを利用するものまで様々だ。

現在ではテレビでも人気であり、様々なマジシャンが人々を魅了し、楽しませてくれている。

そんな心理戦とも言える手品は、実験心理学の発展に大きな役割を果たしてきた。

特に発展初期には、マジシャンがどうやって人々の意識を操作しているのかということに、研究者は強い興味を示して、様々な解析が行われてきた歴史がある。

ミスディレクション

オックスフォード大学の研究チームは、マジシャンがその場に無いものをあたかもそこにあるかのように見せかける技術(ミスディレクション)が、どうやって人々の認識を騙しているのかを研究している。

420人のボランィアにコイン、ボール、カード、ハンカチ、そしてもう一つの何かのマジックのビデオを見せ、その直後に何が見えたのか、どれくらい驚いたか、どれくらい印象的だったのかなど調査を行った。

その時に見せたビデオを下記リンクから視聴できる。

この記事を読み進める前に、是非ともご覧頂きたい。

それぞれの4つのビデオからなっているが、実は4つのうち3つしかトリックを用いていない。

もう一つはタネも仕掛けもない、というよりもマジックではないものだ。

どうだろう?みなさんは気づいていただろうか?

そして先ほど言葉を濁した「もう一つ何かのマジック(Phantom Vanish)」は物を用いているかに見せかけているが、何も用いていないのだ。

実験の結果

何も用いていないマジックにおいて、32%の人が何か見えて、その物質が消えたと感じ、さらに11%の人が何もない物質に対して物質名を挙げたという。

そして何もなかったと答えた人は何も用いていないマジックに対して驚きや印象の度合いは低かったのだが、何かものが見えたと答えた人はその度合いは比較的高く、名前まで挙げた人は他のマジックよりも印象的だったとか驚いたと答えた。

このような調査の結果から、何か起こっているだろうと考える人に対しては、効果的にその意識を混乱させることができ、あたかも何かが起こっているように見せかけることができると考えられる。

またマジシャンがマジックではっきりとした色のものを使うのは、何かが起こるだろうと期待させることを狙っているのだと考えられる。

私も今回のビデオを見たのですが、最初記事をあまり読まずに見たときは、どれもマジックに見えていました。でも記事を読んでから見直してみると、「あれ?これマジックじゃないじゃん!」と笑ってしまいました。この記事の通り、「マジックが起こるぞ!」と身構えてみているのと、「これマジックじゃないじゃん」と思ってみるのとでは、かなり認識の違いがあることを実感しました。

私自身、マジックを見るのは好きなので、結構騙されやすい性格をしているのかもしれません。マジックは面白いし、心理学の勉強にもなるのであれば、是非学んでみたいと思うのですが、不器用なので見て楽しむだけに留めています。そして、近くにマジックバーなるものがあるので、一度行ってみたいなぁと思っている今日この頃です。

元記事はこちら(Psychologist’s magic makes a non-existent object disappear)

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