ノイズキャンセリングヘッドフォンならぬ、ノイズキャンセリングカメラができるかもしれない?!波の性質を利用した新たな画像解析の可能性!

ノイズキャンセリングヘッドフォンを使っている人もいることでしょう。音は波の性質をもっているので、ある音に対して逆の性質の音を当てる音を消すことができます。これが現在広く販売されているノイズキャンセリングヘッドフォンの原理。そこで、ある研究者は思いました。光も波だ。ぼやっとした画像のいらない光に逆の性質を持つ光を当ててやれば、鮮明な画像が得られるかもしれない!そのアイデアにより生まれた研究がこちらです!

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グレア

霧の中を車で走っていると、前方が見えづらいという経験をしたことがある人もいることだろう。

それは霧の中の水の粒子が、車のヘッドライトで照らされ、光が散乱してしまうことから起こる。

この現象をグレアと呼ぶが、写真を撮る際にもこのグレアが邪魔になることがある。

カルフォルニア工科大学の研究チームは、このグレアをノイズキャンセリングヘッドホンの原理と似通った方法で消してしまう手法を開発した。

ノイズキャンセリングヘッドフォン

音というのは、空気の振動により起こる波である。

その波を耳の中の鼓膜が受け取ることで、ヒトは音を感知することができる。

しかし人によっては不快な音を消したいという思いに駆られることもあるだろう。

そこで現在、音を消す一つの手法として広がっているのが、ノイズキャンセリングという手法である。

波は規則正しい、つまり周期性をもった山と谷からできている。

山と谷で1セットだが、山と谷の大きさや山と山との間の長さによって、音の大きさや音程の高さが決まってくる。

そして波は面白い性質をもっている。

ある一定の山と谷に対して、逆に谷と山をぶつけると相殺され無くなってしまうのだ。

つまりある音に対して、逆の性質をもつ音を当てると、音が無くなるというわけだ。

現在、多くの企業からノイズキャンセリング機能をもったイヤフォンやヘッドフォン(さらには部屋全体の音を軽減させるものまである)が販売されているが、実際に音を当てて音を無くすものや、デジタル処理して音を無くすものなどがあるが、原理的には同じことである。

光も波?!

研究チームはこのノイズキャンセリングの原理を音ではなく、光で行うことを思いついたのだ。

光自体が粒子なのか、波なのかの論争はまだ続いているが、少なくとも波の性質をもっていることは間違いない。

そこで複数の光源をもちい、ある物質を照射した際、散乱してしまった光を打ち消すように、そして反射した光を強く際立たせるようなシステムを構築した。

その名をCGN(Coherence Gated Negation)と名付けた。

CGNの効果の実証

研究チームはCGNの効果を実証するために、デバイスを作製した。

デバイスには二つのレーザーが搭載されており、一つは物を照射するため、もう一つはグレアをキャンセルするために用いられる。

その二つのレーザーにより得られた光をカメラで捉える。

実際の検証実験では、ある文字を書いた上に、光を散乱させるようにガラスビーズをゲルのなかに分散させたフィルムを置き、光を照射した。

CGNの効果がない場合には、グレアがひどいため、文字を判別することはできないが、CGNを用いると、完全にクリアな状態ではないものの、十分に文字が読み取れるまで画像は改善した。

幅広い応用範囲

この技術は幅広い応用が考えられる。

例えば、新しい惑星探査においても、普段見えづらい惑星をしっかりと捉えることができるようになるかもしれない。

また近年では、バイオ研究では細胞に蛍光物質を取り込ませたり、作らせることにより、見たい物質の動向を蛍光で観察することもある。

だが細胞自体も光を散乱してしまうため、時にはグレアが邪魔になることも多い。

そのため、CGNを利用することにより、これまで見えなかった小さなものの動向まで観察できるようになるかもしれない。

もちろん最初に紹介した霧の日のドライブでも、前方をはっきりと見るといった技術に応用できるかもしれない。

現状では、十分にクリアな像が得るためには、まだまだ解析スピードが足らないが、今後、技術が発展することにより、我々の生活に広く使われる可能性がある技術であろう。

なかなか思いつかないようで、聞いてみると納得の研究ですね!現在デジタルカメラの画像はかなり鮮明になってきていますが、やはりグレアが出てしまうような条件では、はっきりとした映像を撮ることはできません。今後様々な状況下でも撮影できるカメラを開発するためにも今回の研究はかなり重要なものかもしれませんね。

これまである技術を他のものに当てはめてみると、まだ誰もやっていない分野に到達するというのは、イノベーションを起こすための一つの戦略です。こうしてみるとまだまだイノベーションの種というのは世界中に転がっている気がします。次は一体どんなイノベーションの種が見つかるのか。今回の研究はそんなことを語りかけているような研究ですね!

元記事はこちら(Noise-Canceling Optics)

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