血液に含まれるヘムを用いることで、リチウム酸素バッテリーの性能を向上する!バッテリー業界に止まらないその影響とは?

次世代バッテリーとして期待されているリチウム酸素バッテリー。商業化するためにはまだまだ超えなければならないハードルが存在します。その一つが中で起こる化学反応により、バッテリーの充放電回数が制限されてしまうこと。その課題に対して、どのような解決策を編み出すのか。ある研究チームが注目したのは、動物の血液でした。

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リチウム酸素バッテリー

次世代バッテリーとして期待されているリチウム酸素バッテリー。

リチウムを正極、酸素を負極として用いることで、計算上ではこれまでのリチウムバッテリーの性能を凌駕する性能を秘めている。

例えば一度充電すると長期間電気を保存可能であったり、これまでの容量よりも4〜5倍の容量が充電できることから、パソコンやスマートフォンなどの電気機器や電気自動車への応用が期待されている。

しかしながらまだ商業化への位置は長い。

リチウムが酸化してしまい、酸素極を覆ってしまうことから、その充放電回数がほとんど得られないためである。

ヘムをバッテリーに用いる!

イェール大学の研究チームは、この酸素極の問題を解決するため、人間の血液から得たアイデアを検討している。

人間の血液では、酸素を全身に運ぶため、ヘムという小分子をもったタンパク質が存在する。

ヘモグロビンというタンパク質がそのタンパク質である。

ヘモグロビンは酸素が多いところでは、ヘムに酸素を結合させ、逆に酸素が少ないところでは、酸素を離す性質をもっている。

研究チームはこのヘムを用い、リチウム酸素バッテリーを作製したところ、その性能が改善し、充放電回数が伸びたという。

ヘムをどこから供給するか?

ヘムがリチウム酸素バッテリーに重要な役割をすることを明らかにした彼らはそのヘムをどこから供給するかも検討している。

先ほど述べたように血液中にヘムは大量に存在している。

また現在、食肉業界では食肉に血液が大量に存在しているとその味が落ちてしまうため、動物を殺す際、血抜きをし、抜いた血は捨ててしまっている。

彼らはこの血からヘムを取り出し、リチウム酸素バッテリーに利用することで、動物の廃棄物を減らすこともできると考えている。

食肉業界にも影響しそうなリチウム酸素バッテリー。

商業化されることにより、世界を大きく変える技術になるかもしれない。

電子機器を毎日使う私たちにとって、充電をあまりしなくて済むのは大きな利点です。現在、手のひらに納まるくらいのスマートフォンでは、やはり1日に1回は充電しないと、バッテリーが心もとなくなってしまいます。ヘビーユーザーでは、モバイルバッテリーを持ち歩いているという人もいることでしょう。

リチウム酸素バッテリーに限らず、バッテリーの一つの課題は充電容量をいかに伸ばすかということです。そのため様々な研究を行い、少しでもバッテリー容量を大きくしようと研究者たちは思案し続けています。ほとんど充電しなくていい夢のバッテリーが商業化されたら、世の中は大きく変わることでしょう。一体どこがその夢のバッテリーをいち早く商業化するか、注目したいところですね!

元記事はこちら(Blood molecule key to more efficient batteries)

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