「培養肉を作って食べてみた」動画!?「生ものづくり」への確立へ!

以前から繋がりのあったバイオ研究者のKeitaさんから突然のご連絡。

「培養肉を作って食べた解説動画をアップしたので、よろしければ見て下さい!」

どれだけ培養肉に情熱を注いでいるのかと、もちろんいい意味で。

せっかくなので世に広めるお手伝いをさせて頂こうと、Keitaさんと共同で記事を作成しました。

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まずは動画主を簡単に紹介

Keita

日本発の草の根培養肉開発プロジェクト Shojinmeatのメンバー

2016年夏のコミケ(C90)にて「培養肉作って食べてみた!」の薄い本を頒布する。

3DCGをはじめとする科学コンテンツ制作サービス ”SCIGRA”にて、Science CGコーディネーターとしても活動中である。

SCIGRA

ビジュアル科学コミュニケーション

運営サイト(Cプログラミングを落とした理系がScience CG制作してみた!)

インテグリカルチャーの科学コンテンツコーディネーターの日々の記録。または純肉(培養肉)とか。

培養肉に関しての以前の記事はこちら

命を殺さず、命を紡ぐプロジェクト!人工肉で食糧問題、環境問題を解決し、果ては宇宙開発まで!〜Shojinmeat Project〜
細胞から肉を作る?!バイオの技術はここまで進んだ!しかしなぜ人工的に肉を作る必要があるのでしょうか? 食肉と健康 世界中で日々大量に食...

前回のKeitaさんの寄稿記事はこちら

バイオ系評論本でコミケに突入してみた!! 他に見つけた研究評論系サークル
今回は管理人ひろやんではなく、Twitterで知り合ったKeitaさんからの寄稿記事!コミケの報告とサイエンスコミュニケーションの重要性に関して語...

本当に焼いて食べる!

肉というとほとんどの人が思い浮かべるのは、スーパーマーケットで買える肉を思い浮かべることだろう。

だが彼らの目的は「ゼロから肉を作ること」だ。

一体どういう流れで、ゼロから肉を作るのだろうか?

まずはKeitaさんたちがアップした動画を見て頂きたい。

培養肉作って食べてみた! 草の根研究で今世界で話題の培養肉を作ってみました!どうやって作るの?本当に美味しいの? そこ...

細胞を実際に購入しするところから始めるという徹底ぶりだ。

さらにはどんな培養液で細胞を増やすのか、筋肉にするにはどうしたらいいのかなどの詳細も解説されている。

iPS細胞のニュースがよくメディアで取り上げられ、バイオ実験をしてる様子が映し出されることも度々あるが、ここまで具体的な手法を紹介していることは少ないだろう。

実は普段我々がスーパーマーケットで目にする肉の多くは「骨格筋」と呼ばれる筋肉細胞だ。

もちろん牛や豚、鳥の骨格筋である。

今回は筋芽細胞と呼ばれる骨格筋の元となる細胞を使い、骨格筋に分化させているが、その細胞はマウス由来のものだという。

マウスを使った理由は、手に入れやすいかららしい。

動画のコメント

動画に出てくるコメント、ニコニコ動画では弾幕と呼ばれるが、そこには率直な意見が書かれている。

例えば、

「細胞って買えるのか!!」

「俺も手伝えるのかな?」

「小さいwww」

「課題はコスパと倫理面」

「夢がある」

といった感じで、ポジティブな意見もネガティブな意見も存在する。

だがこの記事を書いている2016年11月27日現在、コメント数は800を超えており、再生数も32,000を超えていることから、一般の人の培養肉への興味はかなり高いと感じられる。

そもそも何故ニコニコ動画に?

彼らは何故ニコニコ動画に培養肉を紹介する動画をアップしたのだろうか?

この記事をアップしたKeitaさんとしては、様々な理由があるとのことだ。

1. ユーザーの技術に対する高い感度

ニコニコ動画にはもともと技術系・開発系のジャンル「ニコニコ技術部」が存在する。

そこではVR(Virtual Reality:仮想現実)のシステムや電子楽器の「作ってみた!」を始め、「全自動パズドラマシーン」など個人の技術力や探究心が光るコンテンツが多い。

このようにニコニコ動画のユーザーにはDIYの精神が強いことは、「〜してみた」といったタイトルが並ぶ状況からも垣間見えるのだ。

それならば、バイオ系にも関心が高いユーザーがいるのではないか?

もともと一昔前のSFアニメには、培養器具の中で肉がプカプカ浮いている様子が描かれていることも多く、ニコニコ動画にはそのようなコンテンツとの親和性が高いと予想したわけだ。

将来的には細胞を材料に、どんなものでも製造する「細胞製造業」が確立すると嬉しいとKeitaさんは述べている。

2. 社会の意見を求めるコミュニケーション

動画中で大量のコメントが出てきたように、ニコニコ動画で注目を浴びるとユーザーから多種多様な意見が寄せられる。

Keitaさん曰く、培養肉という新しい食糧生産技術は食の選択肢を増やすことに繋がり、人々のライフスタイルを変化させる可能性もある。

そのため社会実装させるためには、常に社会との対話が重要になる。

そこでまずはニコニコ動画でどのようなコメントが寄せられるか知りたかったとのことだ。

3. 共に「生ものづくり」の推進を!

個人でのものづくりのほとんどは「ハード」か「ソフト」のいずれかであることが現状である。

この動画をきっかけに、「生ものづくり」という新しいジャンルを切り開き、世間への認知を促したいという思いもあったという。

支援者も募集中!

Shojinmeat Projectでは常に支援者を募集しているとのことである。

純肉(人工培養肉・クリーンミート)の研究開発プロジェクト

大学や企業に属さず草の根で研究している以上、海外ベンチャーと比べて圧倒的に少ない資金で研究しているのが現状であり、多くの人の協力をお願いしたいということである。

現在、以下の4つの支援内容を求めている。

・細胞を培養するためのインキュベータや恒温器など実験道具の提供

・資金的支援

・共に社会実装を推進するメンバー

・一緒にラボに立つ仲間

現状では、研究資金の多くは科学コンテンツ制作サービスSCIGRAによって賄われており、このサービスを利用してもらうことでも研究を支援することができる。

ビジュアル科学コミュニケーション

また彼らが運営するScience CG塾は、研究資金の調達以外にも培養肉開発のコミュニケーションの場にもなっている。

Science CG塾 開催予定 第9~10期 Science CG塾 スケジュール  ※上記の内容は予告なく変更となる場合もございますので、あらかじめご了承ください。 ※定員に達した時点で受付を終了させて頂きます。 ※最小催行人数に達しない場合は延期となる場合がございます。ご了承ください。   研究室単位や学...

Science CG塾を利用したことをきっかけに、Shojinmeat Projectに参画する受講生も既に出てきているという。

興味がある方は、Science CG塾に参加し、コンピュータグラフィックを学ぶと共に、Shojinmeat Projectに触れてみるということも可能なのだ。

最後に告知

今回動画で紹介された内容は2016年冬のコミックマーケット(通称コミケ)C91にて、薄い本(第2弾)として、頒布予定である。

日時・場所は 2016年12月31日(3日目)東エリア Qブロック 38b である。

今回は第2弾ということで、薄い本がちょっと厚い(アツい)本になったらしい。

こんにちは、飲み会明けのボーッとした意識で記事を書いています。 今日は記事タイトルにもある通り、冬のコミックマーケット(C91)にて僕がサークル主をする Co-Labが当選したことをお伝えしようと思います。 前回の夏コミで局所的に話題になることができた、 「人工培養肉 作って食べてみた本」 の最新バージョンです。&

培養肉にかけるアツさが、そのまま厚さになったことだろう。

どんなアツさなのか小一時間問い詰めてみたいところだが、グッとこらえて、コミケを待つことにしていただきたい。

クローズアップ現代に代表が出演!

またShojinmeat Projectの代表 羽生氏が2016年11月29日(火)にNHKで放送される「クローズアップ現代」に出演するらしい。

培養食肉研究をアツく語ってくれるとのことなので、みなさん是非とも視聴していただければと思う。

2016年11月29日(火)放送。野菜も魚も高騰、売り上げが軒並み伸び悩む食の世界で、いま、一人勝ちなのが「お肉」の消費!そのけん引役は、赤身の牛肉。昔は「パサパサで固い」と不評だったが、今や「歯ごたえがあってヘルシー」。スーパーや飲食店は仕入れに奔走、産地では増産の動きが相次いでいる。一方、根強い人気の「霜降り」と赤...

日本のものづくり産業に「生ものづくり」を加えようとしている彼らの研究に今後も目が離せない。

培養肉はSIGでも応援している研究の一つです。まだまだ産業としては成り立っていないのですが、将来培養肉産業が確立されれば、地球温暖化から食料問題など多くの課題が解決されることでしょうし、いつか宇宙へ飛び立つ日がきたとしても、宇宙で肉を食べることができることでしょう。

Keitaさんは今回のようにテレビのようなメディアだけではなく、コミックマーケットやニコニコ動画のような生の意見が聞けるメディアにも積極的に参加しており、その戦略は面白いなと感じています。

特に研究という一般の人から見たら難解で、かけ離れた領域を、薄い本や動画で身近に感じさせるというのは素晴らしい試みでしょう。SIGとしてもこういった活動は応援していきたいなと思いますし、是非とも大学の先生方にも取り入れて頂けたら、研究に対する社会の反応も大きく変わるのではないかと思っています。

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