呼吸と感情、そして記憶に関しての研究!てんかんの治療の過程で発見されたこれらの関連性とは?

ストレス社会と言われる現在。感情のコントロールは社会を生き抜く一つの手法として確立されつつあります。マインドフルネスやヨガなどでよりよい日々を送ろうとしている人もいることでしょう。最新の研究が明らかにしたのは、呼吸が脳の電気シグナルを変化させ、感情や記憶に影響を与えているということでした。

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呼吸と脳の活動

ノースウェスタン大学の研究チームは、呼吸のリズムが脳の電気シグナルを変化させ、感情や記憶に影響を与えることを報告した。

しかも息を吸うのか、それとも吐くのかといったことや、鼻で呼吸をするのか、口で呼吸をするのかといったことさえも影響を与えるのだという。

特に息を吐く時に比べ、息を吸った時に脳の扁桃体や海馬の活性が劇的に変化したという。

扁桃体と海馬

扁桃体と海馬は大脳辺縁系と呼ばれる大脳の奥深くに存在する部位に含まれる。

この大脳辺縁系は感情ややる気、記憶などに関与しており、扁桃体と海馬は記憶の形成と感情のコントロールに大きな役割を果たしていることが知られている。

扁桃体からは様々な信号物質が放出され、快感、ストレス、興奮、恐怖などへの応答を担っている一方、海馬では記憶や学習を担っていると言われている。

どちらもヒトを含む高等脊椎動物にとって、その性格に影響を与える重要な器官となっている。

てんかん患者からの脳の電気シグナルデータ

研究チームはてんかんの手術を予定している7人の被験者の協力を得てこの研究を行なった。

手術の約1週間前には、てんかんの発作が起こる領域を同定するため、患者の脳に電極を埋め込むことになる。

電極を埋め込むことにより、患者の脳から直接電気シグナルを観測できるようになり、電気生理学的なデータを収集できるのだ。

このデータを解析していた際、研究チームは呼吸に合わせて脳の電気シグナルが変化していることを突き止めた。

さらこの電気シグナルの変化は感情や記憶、匂いを処理する脳の領域において起きていることが分かったのである。

呼吸と感情、そして記憶の関連性

そこで研究チームは呼吸と感情や記憶に何らかの関連性があるのではないかと考え、研究を進めることにした。

扁桃体は感情を司る脳の領域であるが、特に恐怖感に関連があると考えられている。

そこで60人の被験者に驚いている人の表情か恐怖を感じている人の表情を瞬間的に見せ、どちらの表情か判断してもらい、その際の呼吸の仕方を解析した。

これは周囲の人が恐怖の表情をしていたら、それを見た人も恐怖を感じるし、驚きの表情をしていたら、驚きを感じることを利用した実験だ。

その結果、被験者が息を吸っている時に恐怖の表情を見た際には、息を吐く時に比べ、速く判断することができたが、驚きの表情においてはそのような差異は見られなかった。

また呼吸の仕方にも特徴があり、口ではなく、鼻で呼吸するといったことが観測された。

海馬で処理される記憶に関しては、ディスプレイ上に映し出される物体を記憶し、後で思い出してもらうということを行い、息を吸う時によりよく思い出せるという結果が得られた。

このような研究が進むことにより、より感情をコントロールするような治療やよりよく記憶するといったことが可能になるのかもしれない。

私自身も結構イライラしやすい性質のようで感情のコントロールは下手な部類に入ることでしょう。そのため、感情コントロール法は色々と勉強をしているのですが、なかなか実践できていない残念な状況になっています。

感情をコントロールするには考え方を変えるとか、運動をするとか、日々意識をして生活をしないと難しいと感じていましたが、今回のように呼吸を意識するだけでコントロールできるとなると、実際感情が高まったり、落ち込んだりした時にすぐに実践できるかもしれませんね。

また今回の研究では、呼吸は記憶にも影響を与えるようで、受験や資格試験など学生から社会人まで利用できるテクニックとして発達するかもしれません。こういった基礎研究が実生活に影響を与えるよう、研究が進んでいってほしいなと思っています。

元記事はこちら(Rhythm of breathing affects memory and fear)

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