ブルーライト当てると再度形成可能になる3Dプリンタ用プラスチック素材?!

3Dプリンタの発展は著しいものがありますが、難点なのは一度形成してしまったものに再度デコレーションができないことでしょう。ここはこういう風が良かったなんて後で思ったときは、再度プリントし直しなんてこともあるかと思います。そんな人のために3Dプリンタで使える再形成可能なプラスチックを開発している研究チームがあります。

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新しい3Dプリンティングの素材

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、これまでとは異なる性質をもつ3Dプリンティングの素材を開発したと報告した。

3Dプリンティングの手法はいくつか存在するが、その一つにプラスチックを熱で溶かし、層状に重ね、目的のデザインを形成するという手法がある。

家庭用の3Dプリンタはこの手法を用いている。

手軽に使用でき、短時間でものが得られることから、近年、趣味から工業用まで多くの場面で使われるようになった。

しかしながら、この手法には限界がある。

プラスチックはプラスチックを形成する分子が多数繋がってできているの(高分子という)だが、一度反応が終わってしまうと、それ以上反応させることができない。

つまり一度形成した形は、それ以上変化させることができないのだ。

再形成可能な素材

そこで研究チームは、一度3Dプリンタで形成したものでも、再形成可能になる素材を開発した。

その素材は、作成したものに光を当ててやると活性化され、そのものの上に新しいデザインを追加できる。

だが実はこの再形成する手法はこれまで全くなかったわけではない。

2013年にもこの研究チームは、3Dプリンタで作成したものに紫外線を当ててやることで、高分子化したプラスチックを一度原子レベルで引き離し、再度新しい高分子を作成するという手法を報告している。

プラスチックに紫外線を当てると、フリーラジカルと呼ばれる活性の高い分子が形成されるため、高分子化したプラスチックを原子レベルで引き離すことが可能になる。

しかしながらこのフリーラジカルは、活性が強すぎ、コントロールすることが難しく、プラスチックがボロボロにダメージを受けてしまうという欠点があった。

紫外線の代わりにブルーライト

高分子化したプラスチックは長い鎖のような構造をしており、そのところどころに毛が生えたような構造をしている。

この毛のことを化学基と呼ぶのだが、研究チームはこの化学基にTTCsと呼ばれる光によって性質が変わる化学基を結合させた。

これによりブルーライトを受けた時は、分子が活性化され、高分子から単分子に変化するというプラスチックの作製に成功したのだ。

このブルーライトにより単分子化した部位に新しいプラスチックを追加できるというわけである。

ブルーライトによる化学基の変化を利用していることから、紫外線であったようなプラスチックへのダメージは押さえられる。

3Dプリンタは現在、技術の発展が著しいが、このような新しい素材が開発されることにより、その活躍の場を広げていくことだろう。

色々と新しい素材やテクニックが開発されることで、できることが広がるのはいいですね。まだまだ隠れた利用価値があるだろう3Dプリンタですが、こういった新しい素材ができ、どうやって発展していくのか楽しみですね。

ただ今回の研究で気になるのはやはり価格でしょうか。プラスチックを修飾するのはものによっては難しいでしょうし、広く利用してもらおうと思うと価格をかなり下げなければいけないというのがボトルネックとなるのかもしれません。いつ、どのような形で商業化されるのか、その戦略に関しても興味深い研究だと思います。

元記事はこちら(Technique enables adaptable 3-D printing. Once fabricated, objects can be altered by adding new polymers.)

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