体内のモニタリングに重要なのはバッテリーだった?!昔のバッテリーが最新のセンサーを支える?!

最新のデバイスには最新の部品が乗っていると考えがちですが、意外と古いものの方が良いなんて場面もあるようです。実際に最新の科学が挑戦している体内デバイスでは、レモン電池を基礎としたバッテリーが検討されているようです。

スポンサーリンク

体内デバイスにおけるバッテリー問題

マサチューセッツ工科大学とブリガム・アンド・ウィメンズ病院の共同研究チームは、胃腸の酸性条件により発電し、体内状況を測定するセンサーを開発した。

この研究チームはこれまでにも体温、心拍数、呼吸数などの測定したり、ドラッグデリバリーに行えるデバイスの開発を行なっていた。

しかしながら問題となるのは、バッテリーだ。

通常、こういったデバイスは小さなバッテリーで電力を供給されるが、これまでのバッテリーでは時間とともに自己放電してしまったり、身体に害があるなどの安全性のリスクが存在する。

そこで研究チームは、安全でセンサーに十分な電力を供給できるバッテリーの開発を行なった。

レモン電池

そのアイデアのきっかけとなったのが、レモン電池だ。

もしかしたら小学校や中学校などの理科の授業で作製したことのある人もいるかもしれない。

電極として亜鉛メッキされた釘と銅硬貨(日本だと10円玉)をレモンに刺すと、レモンに含まれるクエン酸が二つの電極間にわずかな電流を発生させる。

そこで研究チームは、デバイスの表面に亜鉛と銅の電極を取り付け、胃や腸の酸性条件で発電し、センシングしようと試みた。

ブタを用いた実験

研究チームは、実際にブタにこのデバイスを摂取させ、健闘を行なった。

デバイスは平均して6日間ブタの消化管の中を移動し、胃においては温度センサーを稼働させ、さらにブタから2メートル離れた受信機に、12秒ごとにシグナルを送ることに成功した。

腸内に入ると、胃よりも酸性度が下がるため、電力の発生量は100分の1となったが、それでもデータ送信頻度を下げることにより、データを受信することは可能だった。

現在のところ、このデバイスは長さ40 mm、直径12 mmというサイズだが、研究チームによると回路をカスタマイズすることにより、将来的には3分の1にまで縮小することが可能だと予想している。

体内で常時発電し、長期間情報を送ってくれる新しい医療デバイスは、予防医療やドラッグデリバリーシステムにおいて魅力的なデバイスであり、早期の開発が期待されていることだろう。

今回の研究は、なかなか面白い発想ではないでしょうか?もしバッテリーを別に積めば、安定した電力供給ができますが、自己放電や身体への影響は避けることができません。逆に体内で発電するということを考えると、バッテリーとして完成していないため、自己放電は抑えられますが、電力供給は不安定になることでしょう。

ただ電力というのは、測定をして、そのデータを送るのに必要なだけあればいいということも考えられます。そうなるとその最低電力はいくつか、もしくは生み出せる電力で何ができるのかを考えることになります。

成功するためには人の逆を行けということは良く言われることですが、単に逆を行くだけではなく、今回のように解答がそこにあるのか、その解答はいかなるものなのかしっかりを見据え、研究を進めて行くことが必要ではないかなと思います。

元記事はこちら(Engineers harness stomach acid to power tiny sensors. Ingestible electronic devices could monitor physiological conditions or deliver drugs.)

この記事を読んでくれたあなたへひろやんからのオススメ記事

DNAをセンサーに使うことによって、心臓発作を検出する?!様々な疾患に対応できる可能性があるセンサーとは?
いきなり起こり、最悪の場合は死に至らしめる心臓発作。急激な変化においても、生体内では様々な反応が起こっています。その変化をセンシングすることにより...
体内に埋め込んで、神経や筋肉の活動をモニタリングできるバッテリーレスワイヤレスセンサーの開発
ほこりサイズの小さなセンサーは一体何の役にたつ?!はるか遠くの未来の技術だと思われていた「あの技術」が意外と早く実現するかもしれません!...