家畜をもう殺さない?!培養して食べる肉”純肉”プロジェクトがクラウドファンディングに登場!

これからの時代、肉は育てるのではなく、培養する?!そんな新しい肉の技術を開発しているShojinmeat Projectがクラウドファンディングを開始しました。100g 3000万円と言われた純肉があなたの支援で食卓に乗る日も近づくかも?!

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細胞農業○培養食料:Shojinmeat Project

クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて、培養して食べる「純肉」が出資を募っています。

このプロジェクトを行なっているのは、Shojinmeat Project!

そう!SIGでも何度も取り上げてきた日本で行われている”純肉”プロジェクトです。

なぜ肉を食べるのか?

スーパーで売られているお肉、皆さんも食べていらっしゃることでしょう。

太古の昔から人間は狩猟をすることで、お肉を摂取してきました。

そして時代を経るにつれ、狩猟よりも畜産の方が効率が良いことを学び、お肉を食べる文化を築いてきました。

ではなぜ我々はお肉を食べるのでしょうか?

美味しいからという答えもあるかもしれません。

ですがやはりそれだけで昔からずっと食べ続けられて来たとは思えません。

肉は筋肉を作るタンパク質や機能させるためのアミノ酸、代謝を潤滑にするためのビタミンに富むことから、身体自身が欲するということがあると私は思います。

ではそのお肉はどこから来たのか?

スーパーではパッケージされたお肉ですが、みなさんご存知のとおり、農家やら牧場やらで育てられた牛や豚、鳥などが殺されて、お肉の形になっているのです。

ここで生き物を殺すなんてダメだ!なんてことを言うつもりはありません。

動物は他の動物や植物の命をもらって生きているわけで、それは動物が生きて行く上で、どうしようもないことだと思います。

ですがせっかく生まれて来た命、もし殺さないで済むのなら、殺さないでおいてあげたいと思うところもあることでしょう。

人間が生きて行くために動物を殺さないで済む方法があるとしたら、それはいいことだと思いませんか?

そしてコストのお話

コストといっても、値段の話ではありません。

家畜を育て肉にするのにお金がかかるなら、それは最終的に製品の値段に反映します。

つまり製品の値段はかかったコストに見合う分と利益が含まれているのです。

ではそれ以外のコストとはなんでしょう?

それは環境に対するコストです。

一つは家畜を育てるのには、大量の作物が必要となります。

牛肉1 kgの肉を作るのに、11 kgの作物が必要となります。

つまり食料という見方をすれば、肉を作るのに作物を使わなければ、もっと多くの人が食料を手にすることができるのです。

では人間が食べる作物が家畜の飼料に使われるとどんなことが起きるでしょう?

人間はさらに必要な作物を作るため、森林を伐採し、田畑に変えるのではないでしょうか。

そして森林が少なくなれば、今まで森林が光合成により吸収してくれていた二酸化炭素が吸収されなくなり地球温暖化へと繋がります。

また家畜からメタンが放出されることから、家畜を飼うというだけでも地球温暖化を促進することが分かっています。

さらにもう一つ。

家畜を育てる際に怖いのはやはり病気です。

そのため家畜には人間に使うよりも多くの抗生物質が投与されています。

その抗生物質は家畜の排泄物として環境中に放出され、薬剤耐性菌を生み出す一つの原因となっているのです。

つまり値段だけではない、見えないコストが知らず知らずのうちに大きくなって行くのです。

そこで純肉

そこで最近新しい技術が話題となっています。

家畜を育てて肉にするのではなく、肉となる細胞をタンクで培養して肉を作ろうという技術です。

このように必要な部位の細胞を育て食料にすることを細胞農業といい、肉の場合は純肉と言います。

これにより丸ごと育てるよりも必要な飼料(培養液とか栄養素とか)が少なくなり、作物需要の食料と飼料の拮抗が解消でき、飼料のための田畑を切り開く必要もなくなり、さらには家畜を育てる際に出てくるメタンや排泄物の抗生物質による環境汚染という問題もなくなると考えられます。

だんだんとコストが下がってきた!

これまででも培養で肉を作ることを、採算度外視で行うことは可能でした。

でもできたお肉にかかったコストは200 gで3000万円!

そんじょそこらのお金持ちでもちょっと勘弁してくれという値段ではないでしょうか。

しかしShojinmeat Projectでは、そのコストを下げるため、細胞を育てる培養液のコストを1/100まで下げることに成功し、さらに1/1000に下げる研究を続けています。

最終的なコストは100 gで60円。

そこまで行くにはかなりの研究開発要素があると思いますが、なんとShojinmeat Projectでは、その目標を達成できる目処も立ってきたとのこと。

生産コストで100 gで60円なら、3倍〜5倍の値段で販売されたとしても、100で180円〜300円(注:経済に詳しくないので適当です)。

スーパーで見かけるアメリカ産やオーストラリア産の牛肉が同じくらいの値段なので、かなりいい勝負できるのではないでしょうか?

イノベーションはいつも小さな場所から?

Shojinmeat Projectのクラウドファンディングのページを見てみると面白いことが。

なんとこのプロジェクトを行なっているのは、研究者だけではなく、学生やイラストレーター(バイオハッカーが職業になっているのは解せないが)だという。

しかも当初はメンバーの実家のお風呂で実験するとか、個人宅で培養液を試作していたらしい。

これってあの有名な話と似ていると思いませんか?

そう、そうはAppleです。

スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックが創業したのが、ガレージだったという話もあり(ウォズニアックは否定しているが)、このストーリーと似ているなと思ったりしました。

またマーク・ザッカーバーグ率いるFacebookも創業当時は一軒家を借りて、仲間と寝泊まりすることでFacebookを開発してきたと言われています。

どんなに小さな場所から始めたとしても、若く、勢いがあるオタクたち(褒め言葉ですよ?)が夢を見て、イノベーションを起こすというのが最近のサクセスストーリーのように思えます。

さてはてShojinmeat Projectもバイオ業界のAppleのように世界を純肉で満たし、席巻するのか、今後が楽しみですね。

出資に関して

今回の出資はこれまでSIGが紹介してきた出資とは少し方式が異なりますので、ご注意ください。

このプロジェクトはファンクラブ方式といい、一回支払って終わりではなく、アイドルのファンクラブに入るかのごとく、毎月会費を支払う方式になっています。

名称からイメージできないかもしれないので、先に補足。

純肉本とはShojinmeat Projectのメンバーがコミックマーケットで一般頒布する同人誌です。

純肉サンプルは最新の製造法を用いて試作した純肉のホルマリン漬け。ホルマリン漬けなので食べられないので注意してください。

この記事を書いている2017年3月17日現在、出資できるコースは以下のものがあります。

Member: 500円/月 研究開発レポート(隔週)

Supporter: 1,000円/月 研究開発レポート(隔週) + 純肉本(年2回)

Sponsor: 3,000円/月 研究開発レポート(隔週) + 純肉本(年2回) + HPでの紹介

Associate: 10,000円/月 研究開発レポート(隔週) + 純肉本(年2回) + HPでの紹介 + 純肉サンプル(年1回) + 論文謝辞掲載

Pioneer: 150,000円/月 研究開発レポート(隔週) + 純肉本(年2回) + HPでの紹介 + 純肉サンプル(年1回) + 論文謝辞掲載 + 国際会議参加 + メディア出演権 + 最優先食事券

100g 60円の目処が立ってきたということは、純肉が食卓に並ぶということが現実味を帯びてきた感じがしますね。これまでの記事でもあったように、培養して肉を作るというのは技術的にはできるのですが、コストが課題になっており、そこに大きなイノベーションが必要でした。

しかし少しずつ研究開発を続け、培養条件を精査することで、少しずつ鍵となる要因を見つけてきたのでしょう。そういうハードルを超えた技術というのは、特許という形で商業化する際、独占的に実施ができる制度があります。産業の発展に貢献した人にはそれだけの利益を与えましょうということです。

しかしながら、Shojinmeat Projectは純肉の世界を広めるため、情報を全て開示するという戦略を取っています。最近ではトヨタが水素社会を広めるため、燃料電池車(水素自動車)に関する特許を無料開放しました。どちらも自分たちの技術を広く使ってもらうことで、新しい社会を作り出そうということです。

この戦略は実はコンピュータを発展させてきた戦略でもあります。様々なプログラムを公開し(オープンソース化といいます)、広く使ってもらうことで、どんどん複雑なプログラムも簡単にし、コンピュータの発展を支えてきました。その結果はみなさんご存知の通り、誰でもコンピュータを手軽に使える社会になったというわけです。

企業としての成り立ちにしろ、オープンソース化にしろ、将来大企業になりうるストーリーをもったShojinmeat Project。いつの日か私たちの食卓を純肉で華やかにして欲しいものだと願っています。

追記(2017年3月21日)

わずかながらでも純肉が早く食べられる世の中になってほしいと思い、ひろやんも出資しました。どうやって研究が進められているのか、研究開発レポートを楽しみに待っています!

元記事はこちら(動物を殺さない肉を作る!ー”Shojinmeat”純肉(培養肉)開発プロジェクト)

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